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4月から老齢年金額が年齢で変わるの知ってますか?

この4月から年金額が改定になります。

令和5年度から、
・新規裁定者は795000円
・既裁定者は792600円
となりました。

このように、
2種類になったのは初めてです。

というのも
久々に賃金>物価の計算となったためです。

これから説明していきます。

新規裁定者というのは、
年金に加入する人
65、66、67歳の人になります。

なぜ、
この3歳の代が特別化されているのか?
というと、
年金を考慮する際に関係する
賃金の計算式が
過去賃金3年分を平均して計算されているためです。

要は、
新規裁定者は67歳以下
既裁定者は68歳以上で、
新たに入った人と
既に受け取っている人は
計算式の賃金の恩恵に差が生じるので
それを解消するために
そのような仕組みになっている!
程度に思ってもらえたら良いです。

どのような仕組みで差が出たの?

もともと、
新規裁定者と既裁定者の
どちらの金額も
賃金連動の仕組みとなっていました。

ただ、
少子高齢化に伴う給付を抑制するために
既裁定者は物価連動の形となりました。

その仕組みの中、
デフレが長期化したことで、
物価が上昇せずに賃金が上がりにくい状況になり、
【賃金上昇率<物価上昇率】
の状況が続きました。

そのため、
年金額の伸びが保険料収入の伸びを
上回る形となり、
年金体系での財政悪化しているわけです。

そのため、
物価と賃金変化の状況で
対応が変わる仕組みとなっています。

【賃金上昇率>物価上昇率】の場合
新規裁定者は賃金に連動
既裁定者は物価に連動

【賃金上昇率<物価上昇率】
新規、既裁定者共に賃金に連動

なので、
ここまでの仕組みの整理として、
新規と既裁定者で
物価と賃金の要素で差が出る場合も
あると知ってもらえたらと思います。

令和5年の参考指標はどうなった?

・物価変動率:2.5%
・名目手取り賃金変動率:2.8%
・マクロ経済スライド調整分:-0.3%
・前年度までの未調整分:-0.3%
でした。

名目手取り賃金変動率は、
実質賃金変動率(0.3% 令和元年〜3年度の平均)+物価変動率(2.5% 令和4年)+可処分所得割合変化率(0%)
となっています。

ただ、令和3年度までで、
ウクライナ戦争などの影響が反映されきっていないことも
示唆されています。

マクロ経済スライド
公的年金被保険者総数の変動率(0%)+平均余命の伸び率(-0.3% 令和元年〜3年度の平均)

マクロ経済スライドの未調整分
令和3年度分(-0.1%)+令和4年度分(-0.2%)

そのため、
この度は賃金上昇率>物価上昇率となったことから
新規裁定者は賃金上昇率、
既裁定者は物価上昇率を
元に計算されます。

よって、
・新規裁定者:2.8-0.3-0.3=2.2%上昇して795000円
・既裁定者:2.5-0.3-0.3=1.9%上昇して792600円
となったわけです。

年金額改定はややこしく見えますが、
要するに、
①物価上昇率と賃金上昇率をチェックして比較
②マクロ経済スライド分を加算
③キャリーオーバー分を加算
する流れで年金額が決定されるわけです。

今年から、
【年齢によって差がある!不平等だ!】
みたいな報道や、
【68歳になると年金が減ります!】
みたいな内容が出てくる可能性がありますが、
知っていると不安などを感じることはないので
一緒に学んでいきましょう!

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