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1-3 国債発行までの道のりって?

今回は、
国債発行の道のりについて
整理していきましょう!

予算審議

国債を発行する前には、
まず国会で予算審議が行われます。

どのような項目に対して、
いくらのお金を使うべきか!
というような話し合いです。

大体、
年明けの1〜3月にされています。

※細かく言えば、
8月に各省庁から、
概算要求がされています。

ここで重要なこととしては、
審議しているのが、
翌年度の予算であるということです。

社会の年度は、
4月1日から3月31日までで
区切られてますよね。

学校、会社のように、
国会も同様なんです。

ただ、
国会においては、
4月からすぐに予算の執行が始まることから
1〜3月に予算を決定する必要が
あるわけですね。

〜流れ〜
・1月:通常国会に予算案提出、審議開始
・2月:衆議院で審議され、参議院で審議
・3月:法案や条例の審議から通常国会閉会
・4月:予算執行開始

②国債の発行、入札

審議を通過して
予算が可決されると、
4月から即時に予算執行が開始されます。

ここで、
国債が登場するわけです!

・公務員給料
・公共施設の設備費
など4月からすぐに支出の必要がありますよね。

国債が発行されると、
その多くを民間銀行が購入します。

よく私たちが
日常で使用している銀行です。

銀行は、
国債をオークション形式で
購入します。

ここでの重要な点として
欠かせないのは
日銀当座預金です。

この国債の売買は、
すべて日銀当座預金で
実施されています。

※日銀当座預金とは、
民間銀行、証券会社などの
日本銀行に口座をもつ機関だけが
もつことができる当座預金です。

国債を民間銀行が購入することで、
政府預金残高と言われる、
政府のお金が増え、

民間銀行においてある
日銀預金残高が減ります。

③公共事業の発注

国債を発行して、
政府預金をまかなった政府は、
元手に公共事業の発注を行います。

・産業基盤関係:生産の向上を目的
例、道路、空港、港の整備など

・生活基盤関係:国民生活の向上を目的
例、上下水道の整備、病院の建設など

・国土保全関係:国土の保全を目的
例、防災、治水など

の3種類の
【民間に任せられない仕事】を
発注するわけですね。

『民間に任せられない仕事?』
という人もいるかもしれませんね。

ちょっとイメージしてもらいたいのですが、
例えば、警察が歩合だったらどうでしょう?
・大きな犯罪者でないと給料少ないから捕まえないよ
・スリは安いから、そこまで本気出さないよ
などが起こってしまいますよね。

消防署だったらどうでしょう?
・ボヤぐらいなら自分でやって。
・大火事だ!行くぞー!
というような事態も起こりかねません。

なので、
利益を追求して、効率的に経営を行う
民間とは異なるけども、
生活に必要なサービスは
公務員が担ってくれているわけです。

政府の支出で、
利益が出ない。非効率だ!
という方もいますが、
そもそも
今すぐに利益が出ないけど、
生活の必要なものを行う必要があるわけです。

実際に、保健所などが多すぎる
と言って、少なくした結果
コロナウイルスの対応などが
人員不足で困った。
という事態がニュースでもやってましたよね。

④政府小切手による支払い

堤防を作る!などのサービスが
終わったら、
政府は公共事業を行なった業者へ支払いをします。

ここで重要なことは、
政府は国債の売買を日銀当座預金で行っていましたよね。

そうなると、
日銀当座預金は、
一般の人が口座を持てないので、
振り込みができません。

そこで政府小切手を使用します。

そもそも、
当座預金というものは、
小切手や手形の振出を行うための口座です。

日銀当座預金も同様です。

政府は、
国債発行を行うことで
政府預金を集め、
その預金を元手に小切手を振り出して
事業者に支払いをしているわけです。

⑤政府小切手の預金、現金化

では、その政府小切手を受け取った
事業者はどうするのでしょうか?

なぜなら、
政府小切手は日銀当座預金を
元手にしているため、
社員への給与には使用できませんよね。

なので、
民間銀行に小切手を持ち込み、
・同額の普通預金を口座に入金してもらう
・現金で受け取る
かを行うことで、
使用できるお金になるわけです!

※現在は、電子化が進んでいるため、
ADAMSというシステムでデータ送金され
簡易化されていますが、
お金の流れは同じです。

次回もお楽しみに!

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