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G7国の中で日本の財政リスクが低い理由

市場の見方によれば、
日本はG7諸国中でドイツに次ぐ低リスク国とされています。

これは、クレジットデフォルトスワップ(CDS)による
5年以内のデフォルト確率が0.33%と、
G7国中で2番目に低いことから明らかです。

これに対し、英国のデフォルト確率は0.70%と、
日本の2倍以上に上り、G7国の中でイタリアに次いで高い水準にあります。

日本国債が高い信頼を得ている背景には、
国際比較で見た際の複数の経済指標が関係しています。

2021年時点でのG7諸国の
政府純債務/GDP比率、
経常収支/GDP比率、
対外純資産/GDP比率
政府債務対外債務比率の4つの指標を比較すると、
日本は政府純債務/GDP比率では
最もリスクが高い位置にありますが、
他の3指標では非常に強いポジションにあります

具体的には、
対外純資産/GDP比率と政府債務対外債務比率でトップ、
経常収支/GDP比率ではドイツに次いで2位となっています。

これらの指標は、
日本が相対的に財政リスクが低い国であることを示しています。

一方、英国は
政府純債務/GDP比率と
政府債務対外債務比率で
G7国中3番目に低いものの、
経常収支の赤字が大きく、
対外純債務/GDP比率も高いことが指摘されています。

これは、
経常赤字と対外純債務が高い国が
インフレ率の加速とともに財政支出を増やすと、
財政リスクが高まる可能性があることを意味しています。

総合的に見ると、
基軸通貨国ではないにもかかわらず、
対外純資産が豊富で経常収支が健全な日本は、
インフレが進行する中でも財政支出の拡大が
比較的安全な国と言えます。

これは、
日本の経済政策において大きなアドバンテージとなっています。

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