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仮説の手前 07

きっかけは部内の方からの情報共有メールでした。

部門が部門だからか、会社について書かれた記事は毎日何本も飛んできます。業績について、社会貢献について、人事方面の施策について…会社の「良し悪し」をはかる内容はより早く、より強調されてメールが飛んできます。

一度に10本近くも記事が羅列されるメールの中、その記事は最下部にあって「なんだか心温まる内容です」と添えられていました。

「クラウドファンディングという言葉は聞いたことがあったけど、どんなものかは全然知らなかったんですよ」とは前出の4代目・泰弘さん。59歳の居酒屋経営者として、これはいたって普通の認識といえるでしょう。そんな“クラウドファンディングって何?”状態だった泰弘さんが今回のプロジェクトに挑戦することになったのは、取引先であるキリンビールの営業マンからの提案がきっかけだったといいます。

「コロナ禍以来、苦労されているので何かできないかと思っていました。ただしクラウドファンディングはどの店でもうまく行くわけではない。大甚本店さんなら熱心なファンがたくさんいらっしゃるので、支援が集まるのではないかと考えました」とはキリンビール東海支社の辻本希光さん。多くの飲食店と取引のある同社ですが、クラウドファンディングの提案は全社でもおそらく初の試みだったといいます。

幾分サラッと書かれた営業マンの声を読んで、何かが身体にビビッと走りました。これは追いかけなくてはいけないと、久々に(本当に久しぶりに)思ったんです。

その日のうちに担当の営業の方にメールをして、翌日か翌々日くらいには軽い打ち合わせをして、取材の段取りをつけ、緊急事態宣言やら何やらを乗り越えて取材にこぎつけることができました。

その記事がようやくリリースされました。

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1,600字
確たる根拠はないけれど「そうかもしれない」と思うことは、日々の生活や仕事の中で結構あると思うんです。普段は通り過ぎてしまうそういう感覚が後々顔を出してはヒントを与えてくれることも。正解やノウハウばかりが並ぶSNSでは発言することに気が引けてしまう「なんとなく」を月に2回を目処に書き残していきます。読んだ方々にとって、日常の「小さな兆し」に気づくきっかけになれれば。

仮説の手前

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