期待に応えられない[7/18〜7/24の日記]
本来ならオリンピック一色の今日。
梅雨明けもせず、なんだかモヤモヤした連休だ。
それでは今週の週報。
7/18(土)
所用あり次住む家を見に行く。やはり良い家だ。まっさらにしてどんな家にしようと妄想が膨らむ。家を考えることは暮らしを考えること。
帰り松陰神社前をプラプラした。家から徒歩圏内に暮らしを彩る店が並ぶというのは、それだけで満たされるものはある。「いいもの」を作る人たちはみな、「いいひと」たちでもあるから。たぶん。いまのところ。
「MERCI BAKE」でケーキを買う。この美味しさとそろそろご近所さんになれる。
7/19(日)
岡本仁さんの『また旅。』を週末数回に分けてきてようやく読み終えた。読み終わってみれば案の定たまらなく旅がしたくなってしまった。
岡本さん、お会いしたことはないのだけど書き味が外連味がなくてとても好きだ。僕の中で理想の「大人の雰囲気」と言えるのかもしれない。そして改めて思うのは、遠く離れた日本各地(世界でもいいけど)に友人を持つことは、暮らしの良し悪しを左右するということだ。
先日買ったワイングラスが届く。作家は蠣﨑マコトさん。「AELU」のサイトで写真を見た時に脊髄反射的に「これだ」と思ったけど、実物を手にするとそれ以上にフィットするワイングラスだった。いいものが手に入るのはやはり嬉しい。
最近ほとんどの器は「AELU」のオンラインショップで買っている。理由はもちろん好きな商品の品揃えなのだけど、毎回店主から手書きで丁寧なお手紙が届くのも大きな理由になっている。毎回商品が届くたびに「手紙は入ってるかな?」と少し期待を込めて段ボールを開けるようになってるから。
早く店舗行って「いつもありがとう」と言いたい。好むと好まざるにかかわらず「外出」の意味づけが高くなってしまうこれからの暮らしの中で、わざわざお店に行く理由は「話を聞きに行く」になるのかもしれない。世間話と専門家のアドバイスの、そのちょうど間ら辺にある会話。新しい発見と温かい会話を見いだせる場所。そんな場所が「真ん中」になるのかもしれない。
7/20(月)
今週は実質3日間のウィークデイ。なにかとバタバタしている。
7/21(火)
出社後、先輩方とご飯。
最近の僕の様子を慮ってか「期待されることに押しつぶされそうなることはない?」と聞かれた。
その質問を聞き、一瞬「期待」というのが誰からのものなのか逡巡して答えられなかった。仕事を直接オーダーしてくれる人なのか?それともアウトプットした先の「誰か」のことなのか?それとももっとザックリした世の中的な空気感のことなのか?はたまた自分自身のことなのか?
その方は「仕事をオーダーする人」のことを指していたらしい。顔の見える関係の「期待」に胃が痛くなる、とも言っていた。
そこで気付いたのは、僕は直接誰かからかけられる「期待のような言葉」を気にしたことがほとんどないということだ。それは、おおよそ40年近く生きてきてはじめて気付いたことだった。そしてそのことに愕然とした。
いや、もう少し説明が要りそうだ。僕は、遠いところ、近いところに転がっている期待(と受け取るもの)を自分の中で出したら引っ込めたりを、なかば本能的に行っては落胆したり溜飲を下げたりしているような気がしたのだ。要はどこまで行っても自分の中で勝手に「期待を解決している」ということだ。
そんなことをうまく話せる筈もなく、「期待されることはどうでもいいことかも。結局は自分が満足するかどうかしか考えてない」と斜に構えたようなことを答えていた(振り返ってみるとだいぶ生意気だな)。
その答えを聞いたひとりの先輩は、「道理で」と頷いてくれててから「それはね」と一呼吸置いてこう続けた。
「君はまさに今登ってる最中で、次のステージが見えているってことなんだね」
この言葉は勇気づけられた。最近何をしても「足りない」と思っていて、それは誰のせいでもなくただただ自分が「足りない」と思っていたからだ。
でも次のステップがあるということなら、ないものねだりのような「足りない」を抱え続けてもいいのかもしれないと楽になった。
7/22(水)
今日も一日外の仕事。夕方前に終わり、時間も中途半端だったので渋谷の蔦屋がやっている「SHARE LOUNGE」で仕事をした。
いい気分転換になって良かった。
7/23(木)
連休初日。
世田谷美術館の「作品のない展示室」へ。いつもは静かに迸る熱量が行き交う場に、その主人公たる作品がないシンとした空間は、どこか休日の校舎を思い起こさせる。
展示室の中には、大学の同級生だろうか、50才台中盤くらいのおじさんの3人組がにこやかに建築談議をしていて気分が和んだ。
その後レストランでも近くの席に座っていて、お互いに写真を撮りあっていて、こうゆう仲は良いな、と素直に羨ましいと思った。
7/24(金)
連休二日目。妻の友人が娘さんとともに遊びに来た。
約束のミートソーススパゲティを振る舞うことがようやくできた。
「美味しい」と言いながらモグモグ食べる姿を見てホッとした。良かった。
僕も横で食べてたらお腹いっぱいになり、夜まで胃痛を引きずることになった。痛い代償だ。
夜は東城百合子先生に習い、胃腸に優しい大根の葉を食べた。質素な食事はしみじみ嬉しい。身体が喜んでいるのがわかる。
さて、明日は人生で一番の「売り買い」をする日。
ありがとうございます。 サポートって言葉、良いですね。応援でもあって救済でもある。いただいたサポートは、誰かを引き立てたたり護ったりすることにつながるモノ・コトに費やしていきます。そしてまたnoteでそのことについて書いていければと。