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【論文レビュー】企業による能力開発の提供が、社員のエンプロイヤビリティを高め、キャリア意識を向上させる。:山本(2015)

日本ではエンプロイヤビリティを扱った実証研究が少ないため、山本先生の本研究は貴重なものです。結論としては、企業が社員の能力開発を高める機会を提供することで、社員のエンプロイヤビリティが高まり、それを通じて社員のキャリア意識が高まる、ということを実証しています。

山本寛. (2015). エンプロイアビリティ保障の実証的研究. 日本経営学会誌, 36, 26-37.

尺度はRothwell & Arnold(2007)を利用

エンプロイヤビリティについては、現在勤務している企業内でのエンプロイヤビリティを測定する内部エンプロイヤビリティと、外部労働市場におけるエンプロイヤビリティを測定する外部エンプロイヤビリティという二つの下位尺度から構成されるRothwell & Arnold(2007)の尺度を用いています。

調査する上で、原文を和訳してくださっているのが地味にありがたいですねー。

二次元構成の概要

Rothwell & Arnold(2007)では、元々は16項目で測定しており、複数の因子に対する負荷量が高くなったものを除いて11項目として最終化しています。本研究では、和訳したのちに因子分析し、二つの因子のいずれかに対する因子負荷量が0.4以上になったものをまとめたものが以下のとおりです。

p.32

媒介効果は一時点での調査で分析・考察しています。現時点での研究としては要検討なので、自身の研究デザインとしてはよくよく考えたいと思います。

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