見出し画像

【論文レビュー】エンプロイヤビリティ尺度を開発してくれた論文:Rothwell & Arnold(2007)

本論文はエンプロイヤビリティの尺度開発を行っています。主観的キャリア成功(self-perceived career success)専門職コミットメント(professional commitment)との弁別性を明らかにして、11の設問から構成される尺度を開発しています。

Rothwell, A., & Arnold, J. (2007). Self‐perceived employability- development and validation of a scale. Personnel review.

エンプロイヤビリティの定義

エンプロイヤビリティの定義はいくつかあるようなのですが、本論文では以下のようにわりとシンプルに定義しています。

“the ability to keep the job one has or to get the job one desires.

p.25

その上で、外部労働市場vs.内部労働市場を縦軸に置き、個人属性vs.外的機会属性を横軸に置いて(下図)16個の質問項目を最初に設定しています。

p.27

16項目→11項目へ絞り込み

ここから著者たちは、16項目から絞り込みをしています。具体的には、冒頭で述べた主観的キャリア成功(下表ではSCS)専門職コミットメント(下表ではPC)と併せて探索的因子分析を行っています。

p.31

その結果、設問1,7,10,12,16の五つについては、主観的キャリア成功がまとまっている因子との因子負荷量が高く出たために削除して、11個の質問項目に絞り込んでいます。

外部項目と内部項目

11の項目を基に、さらに因子分析を行い、内部エンプロイヤビリティと外部エンプロイヤビリティとに分けています。

p.32

その結果、設問5と設問14はどちらとも因子負荷量が高いので両者に分けられないとして、それ以外は設問6,8,11,13,15の五つを外部エンプロイヤビリティ、設問2,3,4,9を内部エンプロイヤビリティ、というそれぞれ下位次元を構成するものとして結論づけています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?