見出し画像

【論文レビュー】オーストラリアでのキャリア・アダプタビリティ尺度研究:Tolentino et al. (2014)

Savickas & Porfeli (2012)で国際版キャリア・アダプタビリティ尺度を開発するプロジェクトにオーストラリアの研究者も当初は参画していました。ただ、イギリスや南アフリカと同様に質的アプローチを行うことに意思決定して尺度開発には最終的に参加していません。本論文では、当時のオーストラリアの研究者とは異なる方々がオーストラリアでの実証研究を行っています。

Tolentino, L. R., Garcia, P. R. J. M., Lu, V. N., Restubog, S. L. D., Bordia, P., & Plewa, C. (2014). Career adaptation: The relation of adaptability to goal orientation, proactive personality, and career optimism. Journal of Vocational Behavior, 84(1), 39-48.

記述統計

オーストラリアでの研究では、555名の大学生を対象として実施していて、平均年齢は22.10歳となっています。また、国際版では5件法で調査しているのに対して、オーストラリアでは7件法で調査しています。以下に記述統計の結果を示します。

p.43

結果としては悪くない感じです。7件法で行っている国としてはフィリピンがありますが、フィリピンよりも安定的なスコアです。天井効果・床効果も特にありませんし、クロンバックのαも良い値です。

モデル適合度

著者たちは4因子・24設問で確認的因子分析を行っています。その結果、RMSEAは0.049でSRMRは0.041であったと報告しています。これらの値は良好であり、適合度の問題はないという判断にも納得します。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?