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【読書メモ】量的調査の基本の「キ」:『質問紙調査の手順』(小塩真司・西口利文編)

編著者たちが心理統計を初めて学ぶ学部学生を想定読者としてまとめてくれている、非常に平易でありがたい質問紙調査の教科書です。最初から最後までざっと読み通すだけでも勉強になります。また、書名にあるように、質問紙調査を行う上での手順に沿って書かれているので、実際に調査・分析をしていくプロセスで迷った時に参考になりそうです。

全般的にスラスラと読める書籍で、ポイントが端的に書かれています。以下では、個人的に興味・関心のある尺度開発の手順に特化して、備忘録的にまとめておきます。

尺度開発の手順

尺度開発について、要にして簡潔なまとめが書かれています。以下の六つの点について検討を行った後に尺度として活用されます。

①記述統計量

天井効果床効果がないかを確認する。欠損値が生じる頻度を確認し、答えづらい質問項目の修正を検討する。

②項目間相関係数

詳細に検討する必要はないが、算出しておいた方がよい。

③因子分析

因子を抽出後、項目の内容を確認して印紙に名前をつける。因子的妥当性の確認にもなる。

④IT相関(Item-Test相関)

尺度の一因子性の確認をする際に用いるもの。通常の尺度開発では行わないことが多い。

⑤信頼性係数の推定

クロンバックのαで推定すれば良い。

⑥妥当性の検討

基準関連妥当性弁別的妥当性など。(表現は少々異なるが、いつも引用している以下のブログに詳しい)


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