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【ワイクを読む!(1/9)】組織化とは?:『組織化の社会心理学[第2版]』(カール・E・ワイク著)

組織や社会という概念を大学院で扱っている以上、カール・E・ワイクは避けて通れない巨匠の一人です。とはいえ、ちょっとクセが強くて読み通す自信がないのもまた事実(個人の見解です)。章ごとならなんとかなるかと楽観的に捉えてまとめていきます。

第1章ではタイトルにもなっている組織化について扱われています。ワイクは、組織化を「意識的な相互連結行動(interlocked behaviors)によって多義性(equivocality)を削減するのに妥当と皆が思う文法」(4頁)と定義しています。

この定義を少し見ていきましょう。定義の前半を見ると、interの後に「locked」が来ています。「linked」でしたら相互に連結というやや中立的なイメージになりますが、「locked」とあるので相互に規定し合うというような意味合いがあると考えられます。つまり、組織化という相互作用には、事象間の強い働きかけ合いがあると考えるべきなのではないでしょうか。

次に、定義の後半に目を向けてみましょう。後半部分には多義性を削減するとあります。多様な意味合いが並列されるということではなく、意味が集約的に生成されるということも含意されていると言えます。

この組織化の一つのきっかけとなるものが計画です。計画は、組織の内外に対するメッセージであり、シンボルであるとワイクはしています。シンボルとして他者に伝達され、それによってフィードバックを組織にもたらすこととなります。こうした相互作用によって、組織にとっての意味が生成されるということになるのです。


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