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【論文レビュー】韓国でのキャリア・アダプタビリティ尺度研究:Tak (2012)

国際版のキャリア・アダプタビリティ尺度開発研究には韓国の研究者の方も参加されています。本研究では、韓国の278名の大学生を対象とした調査(平均年齢21.6歳)を行い、尺度の検証を行っています。

Tak, J. (2012). Career adapt-abilities scale—Korea form: Psychometric properties and construct validity. Journal of Vocational Behavior, 80(3), 712-715.

記述統計

4つの下位尺度および24設問の記述統計を見てみます。スコアは中華圏や南北アメリカ大陸と比べるとやや低めという印象で、天井効果や床効果は特に問題がなさそうです。

p.713

クロンバックのαも出してくれていて、4つの下位尺度および24設問全体についても良好な値であることがわかります。

モデル適合度

著者は4因子・24設問での確認的因子分析を行い、RMSEAは0.067でSRMRは0.060であったことをレポートしています。国際版全体よりもややスコアは良くないものの、適合度の問題はないという判断をされています。

Lee et al.(2021)の研究グループとは別!?

韓国の研究者の方々は、2021年の論文で日本語版のキャリア・アダプタビリティ尺度の開発を試みられています。Savickas & Porfeli(2012)の原著者に確認したところ、尺度翻訳の正式的な許諾は得ていないようなのですが、日本でのキャリア・アダプタビリティ研究にとってはありがたい論文です。

今回ご紹介した論文の著者はLee et al. (2021)の共同研究者として入っておられないので、どうやら別の研究グループのようです。


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