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【論文レビュー】仕事のパフォーマンスはどのように測定できるのか?:Sy et al.(2006)

本論文では感情知能職務満足パフォーマンスの関係が扱われています。結論的にはそれぞれ影響しますよ、ということが明らかになっています。本人の中での三つの影響関係だけではなく、上司によるメンバーへの影響もあるという点が興味深い論文です。

Sy, T., Tram, S., & O’hara, L. A. (2006). Relation of employee and manager emotional intelligence to job satisfaction and performance. Journal of vocational behavior, 68(3), 461-473.


論文要旨

著者たちは、メンバー自身が持っている感情知能(日本では流行した書籍名から「EQ」という言葉の方が有名かも)が職務満足パフォーマンスと影響しているという仮説を設定しており、これらは検証されたと結論づけています。

他方で上司の要素がメンバーに影響を与えているのかも検証しています。その結果、①マネジャーの感情知能はメンバーの職務満足度と正の相関を持つ、②感情知能の高いメンバーよりも感情知能の低いメンバーの方が①の相関係数は高い、ということが検証されたとしています。

パフォーマンス尺度

本論文ではメンバーのパフォーマンスを測定しています。ではパフォーマンスはどのように測ることができるのでしょうか。本論文で用いている尺度は、先行研究を用いて三つの項目で測定しています。

  1. This employee is very competent.

  2. This employee gets his or her work done very effectively.

  3. This employee has performed his/her job well.

これらの項目について、本人評価ではなく上司評価によって5件法で測定するという方法を取っています。本論文での研究サイトは国外ですが、日本人上司が回答すると特に設問1にはなかなか5をつけられないかもしれませんね。


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