【ワイクを読む!(3/9)】相互依存と組織化:『組織化の社会心理学[第2版]』(カール・E・ワイク著)
本章では相互依存関係について焦点が当てられます。よりツッコんだ内容は第4章で扱うとワイクは冒頭で述べているので、おとなしく一般論についての考察にとどめます。
相互依存関係とは何か
Aという事象とBという事象が相互依存関係にあるということは、両者は原因でもあり結果でもあるという状態性を意味します。企業組織においては、単線的に物事を捉える傾向があり、Aという原因→Bという結果というようにリニアに考えがちですが、全ての事象の関係性がこのように捉えられるわけではありません。
相互依存関係というレンズで物事を捉えると、事象間の関係性を描くシステムへの気づきが促されるということもあります。一つの原因と思われる事象を解決しても結果が望ましくならないケースにおいては、モグラ叩き的な問題解決ではなくシステムへの取り組みが必要だったりするわけです。
手こずるシステムをどうさばけばよいか?決してやってはならないことは、一つの変数だけにこだわることである。相互依存の基本的特性が示すところによれば、変数間のパターンや関係が取り組むべき現実であって、実体は取るに足らない。(中略)変革すべきは、変数と変数の間なのだ。関係こそがあなたの描く事象に秩序をもたらすのである。(102頁)
学習する組織へ
このような捉え方は、システム思考としてピーター・センゲの『学習する組織』に繋がっていったと考えられます。センゲは、学習する組織の五つのディシプリンの一つ目としてシステム思考を取り上げています。
多様で複雑な主体が集まって活動する組織であれば学習する組織という考え方は当てはめることが可能で、その結果として得られる示唆は多いでしょう。個人的には、五年ほど前から興味を持ち続けている女川町のまちづくりの取り組みがイメージしやすいなと感じてます。
一つの例としてご参考になれば。
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