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【レポート】若手社員のリテンションのために企業はどのような対策をしているのか?:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査」

厚労省が行なっている若年者雇用実態調査は不定期実施の調査です。2009年、2013年、2018年と実施されてきているので、4-5年に一回くらいの頻度で実施されるものなのでしょう。厚労省のHPによれば、2023年にも調査が行われたとされていますが、その結果はまだ公開されていないようです。そこで今回は、現時点で最新の公開データである2018年の調査を見てみます。

レポートの対象者

まず、本レポートでは若年者が対象となっていますが、ここでいう若年者とは15-34歳を指しています。統計上ではわりと普通の範囲とも言えますが、一般的な肌感覚とはズレるかもしれませんのでご承知おきください。

ワークライフへの対策重視

では本題に移ります。若年労働者に対して企業はどのようなリテンションのための施策を行っているのでしょうか。以下の表に前回との対比で回答結果が一覧で出ています。

平成30年若年者雇用実態調査(表9)

字が少々見づらいので、細かく理解されたい方は冒頭でリンクを貼っている厚労省のサイトに掲載されている資料をご覧ください。なかなか興味深いことが読み取れるデータです。

まず、若年正社員に対してのリテンション施策として、【採用前の詳細な説明・情報提供】【本人の能力・適正にあった配置】【職場での意思疎通の向上】については、2013年調査も2018年調査でも50%を超えており、十分にその重要性が引き続き認識され、企業がケアしていることが読み取れます。

次に興味深いのは、2013年調査から大幅に増加している3つの施策です。【労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励】(25.9%→37.8%)、【仕事と家庭の両立支援】(21.5%→28.4%)の2つはワークライフの観点が重視されていることへの対応と考えられます。

異動・配置への対策

3つ目の企業の対策として、【配転・勤務地等人事面での配慮】の増加(19.8%→22.9%)が挙げられます。施策としては、初期配属、異動、転勤といった職場環境を企業が変えることを検討する際に、企業が若年正社員の個別事情に配慮するようになっていると考えられます。

この項目については、2023年の結果がどのようになっているかも今後注視したいものです。

2023年調査で上がりそうな項目

最後に2023年調査の結果について簡単な予想をしてみたいと思います。昨今、新卒の初任給を上げることが企業間で競争の体をなしている状況です。そこから考えますと、【仕事の成果に見合った賃金】あたりは上がってくるかもしれませんね。

「仕事の成果」という点をどのように解釈するかで回答はずれそうです。ただ、平均年齢の高い企業では、新卒やそれに近い社員の方が、定年に近く職能資格等級もそれなりに高い社員よりも、職務パフォーマンスが実質的に逆転していると考えれば、【仕事の成果に見合った賃金】にすることでリテンションを図る企業は増えているのではないでしょうか。

最後まで目を通していただき、ありがとうございました!

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