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【論文レビュー】仕事を意味付ける二つの職務設計の考え方。:Rosso & Wrzesniewski (2010)

本論文は、仕事の意味づけに関する先行研究が広範囲に渡って行われている便利な論文です。ここでは職務設計に絞って、ジョブ・デザインジョブ・クラフティングの二つの観点で説明されている箇所を整理します。

Rosso, B. D., Dekas, K. H., & Wrzesniewski, A. (2010). On the meaning of work- A theoretical integration and review. Research in organizational behavior, 30, 91-127.

(1)ジョブ・デザイン

一つ目のジョブ・デザインは、Hackman & Oldham (1976)で提示して職務特性理論が有名であり、本論文でも嚆矢的な存在として取り上げられています。職務特性理論では、社員の内発的動機を高めやすい職務を組織がデザインして付与するという考え方を取ります。

具体的には、①技能多様性、②タスク完結性、③タスク重要性、④自律性、⑤フィードバック、の五つの観点を基に職務を設計します。それによって、付与された社員のモティベーション、職務満足、職務パフォーマンス等を高めようとするというアプローチです。

(2)ジョブ・クラフティング

組織が職務をデザインするだけでは、変化が激しい時代には難しい側面が増えてきています。このような問題意識から働く個人が主体となり職務を自ら設計するという考え方が出てきました。

代表的なものがWrzesniewsk & Dutton (2001)のジョブ・クラフティングです。細かな点は散々書いてきたので以下に色々リンクを貼りますが、個人的な目標、スキル習得、価値観といったものを職務に結びつけるように工夫するという発想です。

新しいものが良いとか、古いものはダメということでは全くありません。少なくとも企業組織で働いていると、どちらの考え方もアリで、どのように統合させていくかが大事なのかなと感じます。


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