【論文レビュー】リカートと新人間関係論:進藤(1968)
ある資料をまとめている中で、レンシス・リカート(Rensis Likert)と新人間関係論についてわからないことがあったので調べてみました。半世紀以上前の論文ですが、なかなか濃厚な内容でリカートが何を私たちにもたらしたのかを垣間見ることができました。
リッカート尺度
本論文で扱われているレンシス・リカートは、あのリッカート尺度を開発した人です。
「1:全く同意できない、2:同意できない、3:どちらともいえない、4:同意できる、5:非常に同意できる」というような5件法で測定する、アンケートなどで使われる心理検査的回答尺度です。企業でのエンゲージメントサーベイや、なんらかのマーケティング調査でもお馴染みの尺度でしょう。
組織価値を規定する3つの変数
リカートは、人間関係論を乗り越えるために科学的手続きを適用したとされます。そこで組織価値を明らかにするために、①基本変数、②媒介変数、③結果変数という3つの変数を設定しています。つまり、現代における実証研究の萌芽となる存在であるとも言えるでしょう。
システム4
リカートが提唱した概念の中で最も有名なものの一つにシステム4というものがあります。これは、組織の管理システムを比較分析し、システム1(独善的専制的)、システム2(温情的専制的)、システム3(協議的)、システム4(参加的)という4つの種類に分類できるとされており、組織はシステム4へと改めるのが望ましいとしています。
人間関係論の考え方を引き継ぎながら、それをいかに組織への価値として科学的に可視化するかに取り組んだことが読み取れるようです。
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