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【論文レビュー】ジョブ・エンベデッドネスはどのように測ることができるのか。:Crossley et al.(2007)

ジョブ・エンベデッドネス(職務への埋め込み)という心理的な概念について、こういう風にすればグローバルに測定できますよ!ということを提示している論文の紹介です。

Crossley, C. D., Bennett, R. J., Jex, S. M., & Burnfield, J. L. (2007). Development of a global measure of job embeddedness and integration into a traditional model of voluntary turnover. Journal of applied Psychology, 92(4), 1031.

ジョブ・エンベデッドネスの定義

まず、本論文でのジョブ・エンベデッドネスの定義から見ていきます。結論から言うと、Yao et al.(2004)の定義から以下の通り援用しているようです。

“the combined forces that keep a person from leaving his or her job” (Yao, Lee, Mitchell, Burton, & Sablynski, 2004, p. 159)

p.1031

少し端折って言えば、「現在の職務を辞めさせない力」ということのようです。こういう文脈だと、forceという単語が使われるのですね。個人的には、スター・ウォーズが思い浮かんでイメージが逸れてしまいそうですが。

他の概念との相違

本論文がとても興味深い、というか非常にためになるのは、他の類似概念との相違点を丁寧にレビューしている点です。

p.1033

職務満足、組織コミットメント(三つの下位次元)、離職意思、といった関連する概念との相違を、定義に基づいて述べられているので、今後も重宝しそうです。

7つの質問項目

ジョブ・エンベデッドネスは、先日noteでも取り上げたMitchel et al.(2001)が本格的な研究のはじまりであるとされています。同論文でも六つの質問項目が作成されているのですが、将来的な改善を望むと結んでいることを受けて、グローバルに使える尺度を構築することを目的に、七つの質問項目を提示しています。

p.1043

自社で聞くことを考えると直球的だなぁと思いますが、会社を超えた大規模な調査だと興味深い設問が多いなと感じました。

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