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【論文レビュー】「ジョブ・クラフティングって具体的にどうするの?」と思った時に読みたい論文。:Berg, Dutton & Wrzesniewski (2008)

本論文は、ジョブ・クラフティング(以下JC)を提唱したWrzesniewskiさんとDuttonさんをはじめとした方々が、JCの効用や具体例を解説してくれています。簡潔にJCのポイントを書いてくれていて、また料理人を例にとって、JCする前とした後の仕事の違いを具体的に例示してくれています。

Berg, J. M., Dutton, J. E., & Wrzesniewski, A. (2008). What is job crafting and why does it matter. Retrieved form the website of Positive Organizational Scholarship on April, 15, 2011.

下図ではJCの動機・技術・成果がまとまっています。何がきっかけでJCをするのか(左)、どんな方法があるのか(中)、個人にとってどのような成果があるのか(右)がコメント付きで要諦が書かれています。

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ちょっと英語はどうも、、、という方向けに、立教の有志メンバーで以前私が簡易的にJCをまとめた際のリンクを貼っておきますのでご笑覧ください。

料理人の例でJCを理解する

本論文では、料理人の仕事を例にとってJCが説明されているのですが、これが面白い!上がJCをする前の職務設計で、下がJCをした後の職務設計を表して、違いがハイライトされています。

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JC後の職務には、お客様とのコミュニケーションによってフィードバックを得ようとする行動が追加されています。JCの三つの行動のうちの他者との関係性の変更が表れているものと言えるでしょう。

また、タスク境界の変更により、芸術的な方法による創造的な料理の準備(料理が苦手なものでうまく訳せず、直訳でスミマセン。。)も追加されています。これは職務記述書には書かれていない個人の創意によるものと捉えるべきでしょう。

さらに興味深いのは、JC前と同じ行動がJC後にも書かれているものの、目的や意図が表出されている点です。これはJCの認識の変更が表れた結果として、同じ仕事内容であっても意義深く感じながら働いているという状態性を表していると言えそうです。


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