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【論文レビュー】ポーランドでのキャリア・アダプタビリティ尺度研究:Paszkowska-Rogacz (2020)
ポーランドでも国際版キャリア・アダプタビリティの検証は行われています。ただ、CAAS-5という尺度を用いた少々特殊な実証研究となっているので、その辺りを中心にまとめてみます。
Paszkowska-Rogacz, A. (2020). Career Adaptability–preliminary verification of the concept and measurement method. Educational Psychology, 60(18), 19-43.
CAAS-5という尺度
本論文では、Nye et al. (2018)が開発したCAAS-5という尺度を用いています。この尺度は、Savickas & Porfeli (2012)の最初の四つの下位尺度(関心、統制、好奇心、自信)については全く同じ設問内容と数で構成されていて、その上で協働(cooperation)という五つ目の下位尺度を加えて開発された尺度です。
Nye, C. D., Leong, F., Prasad, J., Gardner, D., & Tien, H. L. S. (2018). Examining the structure of the career adapt-abilities scale: The cooperation dimension and a five-factor model. Journal of Career Assessment, 26(3), 549-562.
記述統計
cooperationも含めた全設問の記述統計は以下の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1711862900223-LU7ingHib0.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1711862947058-JIJ6QmWcLj.png)
天井効果・床効果の問題もなさそうで、スコアが高ぶれすることもなく良い感じに見える結果となっています。
信頼性
信頼性はクロンバックのαで検証しています。まず、Lance et al. (2006)の示した0.7以上という基準をクリアしているためにOKであるとしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1711864381488-nnIy3ldMGr.png)
その上で、先行研究でのクロンバックのα係数の値とも比較しています。真ん中列の数値は、Savickas & Porfeli (2012)をスイスで検証したRossier et al. (2012)と全く同じです。本論文内で直接的な言及はありませんが、スイスでのクロンバックとはこちらの先行研究を意味していると考えてまず間違いありません。次に右列のCAAS-5とも比較して、同等の値であることが検証されたと結論づけています。
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