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【論文レビュー】「エンプロイヤビリティが高い!」と認識する要因には何があるのか?:Wittekind et al.(2010)

私たちがエンプロイヤビリティが高いとか低いとか認識する要因には何があるのでしょうか?本論文では、2000年頃の先行研究から、その規定要因になり得る変数をいくつか設定し、スイスの企業で働く社員を対象として調査を行い、四つの変数を規定要因として明らかにしています。

Wittekind, A., Raeder, S., & Grote, G. (2010). A longitudinal study of determinants of perceived employability. Journal of Organizational Behavior, 31(4), 566-586.

認識されたエンプロイヤビリティ

まず、ここでのエンプロイヤビリティ(perceived employability)については、本人の認識を問うているものになります。具体的には、以下の三つの設問で取っています。なお、二つ目は逆転項目です。

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規定要因

で、この認識されたエンプロイヤビリティに影響を与える規定要因について、四つのものが検証されたとしています。

①学歴

一つ目は学歴です。これは統制変数として分析していて、端的に大学卒以上であることが影響していると結論づけています。

②キャリア・スキル開発の支援

これ以降は、探索的因子分析の結果として得られた因子になります。二つ目はキャリア・スキル開発の支援です。上司からの直接的なものというよりも、会社や組織がキャリア開発やスキル開発に資するものを提供してくれていると認識しているかどうか、に関するものといえます。

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③現状の職務関連スキルレベル

三つ目は現状の職務関連スキルレベルです。以下の四つの質問項目から構成されることを考えますと、これまでの職務経歴や獲得してきたスキルの総体、というような意味合いでしょうか。

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④職務変更への期待

四つ目は職務変更への期待です。以下の二つの逆転項目で聞いているようです。社内外問わず、現在の職務からの変化に対する期待感に関する設問と言えます。そのため、必ずしも他社に移りたい!というような意味内容ではない、という点に留意が必要でしょう。

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