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99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE

本作が2021年の映画納めの1本となった。
どうしても、年末って寒いこともあるし、酒を飲むことも多いから、睡眠に失敗しやすくなってしまうので、映画納めの作品って気軽に見られる作品。それこそ、テレビドラマの劇場版とかとアニメ映画みたいなものを選びがちなんだよね…。そうでなければ上映時間がそんなに長くない作品。

ということでテレビドラマの劇場版である本作を鑑賞することにした。

ぶっちゃけ、内容はテレビドラマのスペシャル版だった。丁寧にテレビ版の回想シーンとかも入っていたしね。

それにキャストも最近のテレビドラマでよく見る面子ばかりだしね。
朝ドラ組でいえば、「おちょやん」の主人公(ヒロイン)の杉咲花、「おかえりモネ」の主人公(ヒロイン)の妹役の蒔田彩珠、主人公の上司役の西島秀俊が出ている。ちょっと前だけれど、「まんぷく」の岸井ゆきのもいる。
さらに、香川照之が演じたハイテンションな弁護士事務所所長のキャラは、つい先日最終回を迎えた日曜劇場「日本沈没」で演じたエキセントリックな科学者とほとんど変わらない。石橋蓮司が演じた自動車業界の大物も、これまた、「日本沈没」で彼が演じた副総理に通じるものがあるキャラだ(まぁ、老害指数は抑えられているが)。
岸辺一徳演じるカゲのフィクサーみたいな人物も「ドクターX」で彼が演じているキャラクターみたいだ。
さらに、香川照之と西島秀俊の共演って、ドラマ・映画合わせて何回目だ?って言いたくなるくらい見飽きたカップリングだ。

日本のドラマ・映画って、同じようなメンツで回しているだけなんだねと言いたくなるほどだ。

とはいえ、俳優陣の演技がダメダメかというと、そうでもないんだよね。特に西島秀俊の演技は良かったと思う。さすが、今年度の米映画賞レースを賑わしている「ドライブ・マイ・カー」の主演男優だと言いたくなってしまう。
でも、蒔田彩珠が演じた西島秀俊演じる弁護士の娘役は彼女の無駄遣いだよね。出番も少ないしね。というか、本作や「モネ」もそうだけれど、彼女って髪の毛は長い方が可愛いと思う。

そして、作品自体もダメダメかというと、そうでもない。

というか、地方のコミュニティの閉鎖性、捜査当局の隠蔽体質、マスコミの人権を無視した取材、好き勝手に誹謗中傷するネット民などといったものに対する批判精神は溢れていて良かったと思う。特に、自分たちの書いたシナリオを正当化するために、一度、起訴されると無罪になることはほとんどないという日本の司法当局の問題点を指摘していることは評価に値すると思う。
もっとも、その無実を弁護士たちが証明しようとするためにやっている行動の数々は弁護士ではなく、刑事とか探偵がやることのようにも思えるけれどね。

それから、毒ぶどう酒事件と毒物カレー事件を混ぜたような事件を描いているのは安直すぎる気もする。

まぁ、睡眠不足の大晦日に見る作品としては、睡魔に襲われることもなく十分に楽しめたので合格点をあげられると思う。

《追記》
本作をTOHOシネマズ西新井で鑑賞したが、上映終了後、次の回の上映まで時間がないので、とっとと出ろと劇場スタッフがスクリーン前方でわめいていた。
本来なら感染症対策のため、混雑を緩和する狙いから、他の客と接触しないように間隔をあけて退場するよう促すべきなのに、全然、感染症対策をしていないよね。
というか、普段なら本編上映終了後に流れる“混雑緩和を心がけて間隔をあけて退場しましょう”のお知らせ画面も出さなかった。
あの画面を出すと、客が退場するのに時間がかかるからってことでしょ。
要は大晦日は営業時間が短縮されるので、フルに稼ぐには休憩時間を短くし、1回でも多く上映できるようにしたいってことでしょ。
本当、TOHOシネマズって金儲けのことしか考えていないよね。感染症対策する気ないだろ!
やっぱり、去年の年末に感染者が増えたのって、東宝が大儲けした「劇場版 鬼滅の刃」のせいなのでは?
こういうやり方を見ると、東宝という会社のルーツが関西だということを思い出すよね。

そういえば、エンドクレジットの出し方が日本のテレビドラマでおなじみのラストシーン展開中に下に表示されているというやつだった。やっぱり、この作品って、テレビドラマのスペシャル版だよね。というか、そのクレジット表示で足りるほどのスタッフしか参加していないってこと?やっぱり、テレビドラマだ。

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