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ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている

ヒューマントラストシネマ渋谷で鑑賞。
この劇場はオデッサという音響システムを売りにしているが、いつ行っても音は割れ気味だ。スタッフはちゃんと、音の鳴り方をチェックしているのだろうか?

ところで、本作はミニシアターや独立系のシネコンだけでなく、松竹や東映のシネコンでも上映されている。

そこでふと思った。このドキュメンタリーって、Apple TV+で配信することを主たる目的として発表されたものだよね?
米国では、配信開始と同時に一部劇場で公開されたようだが、日本では完全に配信先行となり、劇場公開はかなり遅れて実施された。

おかしくないか?

松竹や東映の劇場は劇場公開と同時にディズニープラスでも配信されているディズニー映画の上映を拒否しているよね?
ちなみに、ディズニー映画の上映に関しては東宝も拒否している。また、東急は今月公開の「ブラック・ウィドウ」は上映するが、「ラーヤと龍の王国」や「クルエラ」は拒否していた。

百歩譲って、「閃光のハサウェイ」など、劇場公開と同時にブルーレイなどソフトが発売されるアニメのイベント上映に関しては、劇場売店でブルーレイなどを売ることにより、劇場にも利益が出るから黙認しているとしよう。

でも、このドキュメンタリーは、日本では劇場公開の4ヵ月前から配信されている作品でしょ。それを容認していて、ディズニー映画は拒否というのは筋が通っていないと思う。

いつでも配信で見られる作品というのは映画館にとっては歓迎できない作品だから、ディズニー映画の上映を拒否していたのではないのか?
まぁ、そんなこと言ったら、配信や廉価版DVD・ブルーレイなどでいつでも見られる作品だらけの「午前十時の映画祭」をTOHOシネマズで上映していること自体おかしいんだけれどね。

また、外資排除ということなら、アップル作品の本作だって排除されたっておかしくない。日本劇場公開の配給はアップルではなく、ユニバーサルミュージックの映像事業ブランドであるEASTWORLDとなってはいるが、ユニバーサルだって外資だしね。

つまり、東宝や松竹、東映はアップルやユニバーサルミュージックは映画会社ではないからどうでもいいと思っているが(まぁ、ユニバーサル・ュージックの関連企業であるユニバーサル映画の作品は日本では東宝グループの東宝東和が配給しているので、ユニバーサルは排除できないというのもあるのだろうが)、ディズニーは東宝や松竹、東映といった邦画大手3社の強力なライバルであり、ディズニーを排除すれば、邦画大手3社のシェアが増大するという思いでやっているのではないか?

本当、日本の映画業界ってクソだな。

こんなことをしている連中がいくら、“コロナ禍で映画館の運営が厳しい”とか、“国や都のデタラメな方針で映画館の収入が減った”とか主張しても全く同情することことはできない。

本題に入ろう。

このドキュメンタリー作品を見ていて疑問に思ったことがあった。
とりあえず、ビリー・アイリッシュはメンタル、フィジカルの両面に爆弾を抱えた不安定なアーティストだということはよく分かった。
それだけに、これだけ豊富な映像素材があるのが不思議に思えて仕方なかった。

それだけ、メンタル面のトラブルを抱えている人なら普通は、常にステージの裏側を撮影されていたら発狂するのではないだろうか?
でも、そこまで発狂している雰囲気はないんだよね。

しかも、大スターになる前の映像も結構ある。もしかしたら、ビリー・アイリッシュ現象というのは巧妙に仕組まれたステマなのではないかという気すらしてきた。

そして、そのメンタルやフィジカルの不調に伴い、自分勝手な言動を繰り返す彼女を見ていると、マジで彼女を嫌いになりそうだ。

そういえば最近、彼女がスターになる前にアジア人に対する差別発言をしていたことが問題視されているが、本作を見れば、そういう人間になるのも仕方ないかなと納得できた。

まず、学校に通っていないから、世間を知らないんだろうね。そして、学校に行っていないからこそ尚更、そうしたアジア人を見下す思考というのは両親や兄から受け継がれたものなのではないかという気がする。

また、一時期、黒人のボーイフレンドがいて、彼との関係がうまくいかないことも彼女のメンタルを不安定にさせる要素として描かれていたが、もしかしたら米黒人文化の影響というのもアジア人蔑視の背景にあるのではないだろうか。

米黒人というのは、“自分たちは差別されている”と言いながら、アジア人を平気で差別する自分勝手な連中だ。
ビリー・アイリッシュの音楽のベースの一つにヒップホップがあるのは間違いないわけで、そうした米黒人文化、ヒップホップ文化に触れているうちに、無意識なアジア人蔑視が形成されている可能性も高いと思う。

でも、親が日本車に乗っているのをバカにするような発言を作中でしていたから、彼女のアジア蔑視の思考は家族よりも、黒人・ヒップホップ文化の影響かもしれないな。

ビリー・アイリッシュはその過去の発言について、当時の自分は無知だったとして謝罪コメントを発表したが、個人的には無意識なアジア人蔑視は今も続いていると思う。

グラミー賞授賞式で黒人アーティストMegan Thee Stallion(日本での表記が定まらないので英語表記にした)の名をあげ、彼女が取るべきだったと発言したのは、賞レースで白人が受賞してはいけないという雰囲気が蔓延しているというのもあるが、元々、ビリーが黒人文化の影響下にあるというのも影響しているのではないだろうか。

欧米ではツアー活動の再開を発表したのに、アジアでの日程が発表されていないのは、その証拠だと思う。
いくら、欧米ほどアジアではワクチン接種が進んでいないとはいえ、感染状況は圧倒的に欧米の方が酷い。また、ユーロ2020の観戦者から感染者が相次いでいることを考えれば、明らかに欧米の方がワールドツアーに向いていないのは明白だ。

日本は感染症対策に多少インチキくさい部分はあるにせよ、コンサート活動は頻繁に行われているレベルなのだから、欧米よりもコンサート活動には向いているはずだ。
そもそも、シンガロング文化のない日本だから、感染リスクは少ない。

にもかかわらず、アジアでの公演の発表をしないというのは、彼女がアジア人をバイ菌扱いしているからにほかならないと思う。

そういえば、本作でビリー・アイリッシュが各地を飛び回っている際にUNITED STATESと地名表記テロップが出てきたのが面白かった。米国の映像作品で地名テロップに米国って出てくることってあまりないよね…。

それから音楽性についても触れておこう。本作を見ると、ビリー・アイリッシュの楽曲というのはほとんどが兄でプロデューサーのフィニアスによって作られているのだということがよく分かった。噂通りだったんだね。作中でビリー本人も“曲作りは嫌い”って言っていたしね。

でも、ビリーはMVディレクターとしての才能はあると思う。本作でも撮影時に細かな演出をつけている場面があったし、そっちの才能はソングライターやパフォーマーとして以上にあると思うな。

そして、このフィニアスとビリーを見ていると思う。普通、兄妹ってケンカばかりなのにこの2人って仲良いよね。金正恩と与正とタメをはれるくらいだ。
一般的には女性の方が男より精神的な成長が早いから、兄妹の年齢差が5歳以内の場合(この兄妹は4歳差)、大抵、妹は兄貴をバカにするし、ダサくて汚いもの扱いする。一方で、兄からすれば自分に対して文句ばっかり言ってくる妹はウザい存在でしかない。
だから、AVの近親相姦ものとか、アニメやコミックの妹萌えものなんてのはありえないんだよね。

でも、この兄妹には、そういう世間一般的な兄妹の憎悪というのがないんだよね。まぁ、学校に通っていない=世間を知らないから、世間一般的な考えが身についていないってのはあるのかな。

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