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サヨナラ、TIF

自分が初めてTIFに参戦したのは2014年のことだ。

当時、なかなかチケットが取れないと言われていたHKT48を見たいと思ったのが初参戦を決めた理由だ。
HKTの単独ライブだと、HKTの運営側の意向でライブチケットの当落が決められてしまうが、フェスなら、入場規制されたりしなければ、とりあえず、見ることができるからだ。少なくとも、一般チケットなら、余程のことがない限りはチケット申し込みの時点で落選させられることはない。つまり、見られる可能性が高いと判断したからだ。

この頃のTIFというのは、ライブ活動をメインとしている半地下や地下、そして、地上でも新人や一般的な知名度が足りないアイドルを中心にしたイベントというイメージだった。
そして、それだけでは話題にならないから、マスコミが取材してくれる中堅以上の地上アイドルやアニソン系が少々、客寄せパンダ的にまじっているといった感じのラインナップになっていた。E-girlsですら、デビュー当初はアイドルとして出ていたくらいだ。

見る方も、ライブパフォーマンスの良し悪しで判断していた。新人に関しては、その時点での良し悪しというよりかは将来性の有無という感じだったのかな?

だから、メディア出演が中心で、ライブ活動はたまに大箱でコンサートを開くといったような程度の地上アイドルはオタクからすればお呼びではなかった。

ましてや、口パク歌唱が多い秋元系アイドルなんてout of 眼中だった(当時っぽい言葉を使ってみた)。

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そんな中、果敢にTIFに攻め込んできたのがHKTだった。同じ秋元系のSKE48はこの頃、TIFでのパフォーマンスが非秋元系のドルオタに酷評されたが、HKTは絶賛された。それは、ライブパフォーマンスに力を入れているアイドルと認識されたからだと思う。

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そして、TIF運営は、HKTの成功を機に、地上アイドルを中核に置いたイベントへとシフトするようになっていった。理由は明白だ。集客力がある地上アイドルを出せば金儲けできるからだ(HKTは何も悪くない!)

その守銭奴主義が顕著になったのが初の3日間開催となった2016年だ。
この年から、HKTやSKE以外のAKBグループのアイドルや坂道シリーズまで参加するようになった。
いくら、握手会など接触系イベントによる複数枚購入で売り上げをのばしているだけとはいえ、CDシングルを毎回、何十万枚も売るようなグループが次から次へと出てくるのだから、地下アイドルの対バンライブの延長線上にあった会場運営ではとてもではないがさばき切れない。
だから、TIF運営は混雑緩和のため、秋元系アイドルのステージは整理券を持っている者のみが見ることができるという制度を敷くことにした。
人が集まりすぎて入場規制がかかり、結果として見たかったアーティストのステージが見られなくなってしまったということは、他ジャンルのフェスでもよくあることだ。
でも、開場と同時に整理券を配布したために、夕方のステージが朝の時点で入場不可能になるというアホな結果になってしまった。
多くのオタクは、そんなのフェスじゃないよねと批判した。

翌2017年はさすがに猛批判された整理券配布というアホな制度は不採用となった。しかし、地上アイドル大量出演という路線は拡大する一方だった。その結果、自分が見たいアイドルの出番の何時間も前から、そのアイドルが登場するステージで場所取りをする連中が増えることになってしまった。こういう連中は、前方にいても、今、パフォーマンスをしているアイドルには目もくれず、スマホをいじっていたり、連れとくっちゃべっていたりする。そうでなければ、ただ突っ立っているだけで曲を聞こうとも、ダンスを見ようともしない、いわゆる地蔵になっているって感じだ。

でも、この年まではまだマシだったんだよね…。

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その次の2018年からは、Zepp DiverCityがメイン会場になってしまった…。
2017年までは、フジテレビの夏祭りで使われる特設の野外ステージが、TIFのメインステージにもなっていたが、この年から夏祭りの規模が縮小され、それに伴い、この特設の野外ステージもなくなってしまった。

その次の広さとなっている湾岸スタジオそばの野外ステージSMILE GARDENをメインにすれば、まだ良かったのに、何故か、TIF運営はZeppをメインステージにしてしまったんだよね。
SMILE GARDENなら、雰囲気だけ楽しめればいいやと後方で踊ったり、座って休んでいる人にはPA席より後ろにいてもらうということにすれば、それなりの人数を収容できるのではないかと思う。現状は観覧スペースにしていない空白地帯がかなりあるからね(まぁ、防災・防犯などの理由でできないのかも知れないけれどね)。

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SMILE GARDENをメインにせず、1階席をオールスタンディングにしても2000人程度で、1階席にパイプ椅子を設置すると、800〜1000人程度のキャパになってしまうZeppをメインにしている理由は、単純に特設ステージがあった時の序列でZeppが2番目だったから、そのまま格上げしたというのもあるのだろうが、最大の理由は人気アイドルに対するご機嫌取りなんじゃないかという気がする。

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先日、お台場で開催された地下アイドルの野外イベント「アイドル博」でアイドルが次々と熱中症になり、スーパーアンビュランスが出動するという異例事態となったが、この件でも分かるように、夏場のお台場の暑さは酷いんだよね。

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オタクは延々と酷暑の中にさらされるのに慣れているけれど、アイドルは多分、無理だよね。ブラックな環境にいる地下アイドルですら熱中症になるんだからね…。
普段、冷房の効いた現場での仕事が多い地上アイドルにはたとえ、30分のステージでも炎天下にさらすのは忍びないって運営は思っているのでは?

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だから、人気がAクラスのアイドルは冷房の効いたZeppでパフォーマンスしていただこうと思っているんじゃないかなって気がする。

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そして、そのおかしなステージ設定のまま、コロナ禍に突入してしまった。

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コロナ禍なので、Zepp会場はぎゅうぎゅう詰めになるオールスタンディングモードを避けて、パイプ椅子モードになってしまった。
つまり、キャパは半分になってしまったということだ。

去年、Zepp会場での一部ステージで、事前抽選制を敷いたのは、どう考えても、坂道とかイコラブ、AKBあたりをZeppでパフォーマンスさせたら、ただでさえ、少ないキャパの会場なんだから、あっという間にパンクすると分かっていたからだと思う。

でも、フェスなのに、前日までにそのステージに入れるか否かが決まってしまうなんてありえないよね。

だから、2016年の整理券配布の時以上の猛批判を浴びることになった。
あの時はまだ、当日に整理券配布だから、会場に入ってみなくては分からない部分があったけれど、去年は会場に入る前から、というか、前日までには入れないことが確定しているんだから、そんなのフェスじゃないよねって、誰もが思ったことだと思う。

その超絶猛批判を受けて、今年は事前抽選も整理券配布も実施するのをやめてしまった。でも、それで、炎天下の屋外に並ばせるという方法に戻すのはおかしいでしょって思う。
Zeppに関しては、コロナ禍になってキャパが大幅に減っているわけだから、同会場がメインステージになった2018年とか翌2019年の感覚で来場者を並ばせてはダメなんだよね。

今回、Zepp会場は1日を3ブロックにわけて入れ替えしたけれど、これだとそれぞれのブロックの終わりに出るアイドルのファンが、そのブロックの開場時にうまく入り込めれば、自分が見たいアイドルが出るまで、ずっと居座ることになってしまうんだよね。
つまり、その間に出演するアイドルのファンがステージを見る機会を奪ってしまっているんだよね。

清掃・消毒が大変だから、入れ替えの回数を減らしているのかもしれないが、Zeppをメインにするなら、少なくとも、1時間ずつくらいで総入れ替えにすべきだと思う。

勿論、客の入れ替え時間や次のブロックも見たい人が並ぶための時間も考えて、ブロックとブロックの間は最低でも1時間はあける。

そして、ノイミーとイコラブ、乃木坂5期性と日向坂を離すのではなく、関連するグループは続けて、同じブロックにする。

それから、スタッフは“並んでも見られない可能性があります”なんていう曖昧なことを言わずに、ハッキリと“打ち止めにします”と宣言すべき。

結局、宣言すると、払い戻し問題が起きるからでしょ?

本当、TIF運営って守銭奴なんだよね。スカイツリーを運営している東武そっくり!

個人的には、地下アイドルの対バンライブでやっている、追加料金を払えば、その推しているアイドルの時だけ最前にいけるシステムみたいなものを導入するのが一番いいんじゃないかなと思う。
提供する数は限るべきだと思うが、ほぼ全てのステージに優先入場できる超高額なキラキラチケットとか、Tシャツ購入者限定ステージとは別に、各アイドルごとに、優先入場枠というのを設け、1000円くらいの追加料金を払えば、そのアイドルのステージを見ることは確約されるという仕組みを設ければ、ファンの不満は多少は解消されるし、運営も収入が増えるわけだし、WIN-WINだと思うんだけれどね。
1000円程度の追加料金が払えないで、何も見られなかったって文句を言う人は放っておいていいと思うしね。

TIFは今回、コロナ前の2019年以来、3年ぶりの8月開催となったけれど、その時より動員数は約3分の1に落ちている。

コロナや熱中症になりたくないから行かないことにしたという人はいたとは思うが、そんなに動員が落ちているようには見えないほど混雑していたと思うんだよね…。でも、実際は減っているということは、結局、会場のキャパを縮小して大盛況に見せていたってことでしょ?要はステルス値上げと同じ。

それで、キャパを縮小した分の利益を得るために、キラキラとかいう高額チケットを売りつけていたけれど、キラキラ用のスペースがガラガラのステージもかなりあったしね。それって、演者のモチベーションを下げることになるのでは?

そんな守銭奴なことをしたって、一部のオッサンどもを除けば、誰も相手にしてくれないのにね。

やっぱり、抜本的な改革がない限り、TIFには二度と行かないと思う

とりあえず、入場方法に関する何らかの改善策が出されない限りは来年のTIFには参戦しません。

サヨナラ!

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