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左様なら今晩は

乃木坂46メンバーの出演映画について考えてみよう。

ここでは、メンバーが単独で出演している作品について語ることにする。

現在までに2作品が公開されている「Documentary of 乃木坂46」シリーズはドキュメンタリーということで置いておくことにしよう。
「超能力研究部の3人」や「あさひなぐ」、「映像研には手を出すな!」、「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」などの複数メンバーが出演している作品も除外する。
複数メンバー出演、単独メンバーのみの出演を問わず、実写、アニメを問わず、ゲスト出演扱いの作品も除く。
勿論、グループ卒業後の出演作品は主演、助演、ゲスト出演問わずカウントしない。

こうしたレギュレーションで作品を選び、なおかつ、B級作品を除くと、そんなに語れる作品というのは多くない。というか、自分が見たいと思う作品はほとんどないという感じのラインナップになっている。

ちなみに、現在は女優という肩書きで安定した活動をしている西野七瀬や深川麻衣は乃木坂を卒業するまでは、単独で出演した映画がない。

白石麻衣の卒業前の出演作品は、「闇金ウシジマくん Part3」と卒業直前に公開された「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」しかない。

松村沙友理の卒業前の出演作品は深夜ドラマ「賭ケグルイ」の劇場版以外では小規模公開の「東京ワイン会ピープル」しかない。

堀未央奈は在籍時に出演した「ホットギミック ガールミーツボーイ」が現時点での唯一の出演映画だ。

生田絵梨花は乃木坂在籍中から舞台には単独で多数出演していたが、在籍時に単独で出演した映画はない。

現役メンバーについても語っておこう。

卒業を発表した齋藤飛鳥は単独出演映画は主演の「あの頃、君を追いかけた」だけだ。

「映像研」で飛鳥と共演していた山下美月も現時点では単独出演映画は脇役で出ている「日日是好日」だけだ。

現役メンバーでは美月と並んで女優適性メンバーとみられている与田祐希でさえ、ヒロイン役を務めた「ぐらんぶる」の1本しかない。

こうして見ると、現在の日本のアイドル界では事実上の人気ナンバー1グループである乃木坂に所属しながら、時間がかかる映画の撮影に参加するのはスケジュール的に厳しいというのがよく分かる。

久保史緒里は深夜ドラマの主演はあったが、映画は本作「左様なら今晩は」が初出演・初主演となる。

飛鳥の「あの頃、君を追いかけた」や与田ちゃんの「ぐらんぶる」と比べるとかなりの小規模公開だ。都内ではたったの3館の公開で、しかも、そのうちシネコンはTOHOシネマズ錦糸町だけ。

彼女は乃木坂のCDシングル表題曲の選抜常連ではあるものの、決して、誰でも知っているという存在ではない。だから、この公開規模というのは納得ではある。ただ、彼女の主演映画が作られたことにはビックリした。B級ホラーとか、量産型学園ものなら分かるけれど、表題曲のセンター経験のないメンバーだからね…。

と思いながら、本作の鑑賞に臨んだが、これはやっぱり、B級映画だった…。
そりゃ、都内で3館しかない上映館のうち、メインのシネクイント以外は、昭和の映画館テイストが残っているシネマ・ロサと下町のTOHOシネマズ錦糸町しかないわけだ…。

というか、作品自体も昭和のアイドル映画っぽい感じだった。あるいは、80年代から90年代にかけて、邦画でも洋画でもよく見かけたファンタジー系のハートウォーミングなラブストーリーって感じかな。米国映画でいえば、「マネキン」とか「花嫁はエイリアン」とか「ボクの彼女は地球人」みたいなやつね。邦画だと、「異人たちとの夏」など大林作品もこのカテゴリーに入れていいのかな?

だから、昭和っぽい顔の久保史緒里が選ばれたんだろうね。可愛くも見えるし、おばさんにも見えるし、という彼女のルックスは懐かしい感じがするからね。

というか、久保史緒里主演とうたっているし、クレジットもトップだけれど、ストーリー展開からすると、彼女の演じた幽霊役は主人公ではなくヒロイン役だよね。
まぁ、主演というのは必ずしも主役を演じた俳優という意味ではないから仕方ないんだけれどね。

それにしても、惜しい映画だった…。

読んだことはないが、原作はどうやら、かなり下ネタよりの内容らしい。でも、清楚なイメージがある久保史緒里には、原作通りのエロいことはさせられないから、せいぜい、ノーブラだということを言わせたり、キスに興味津々という程度にとどめているようだが。

同じ、乃木坂メンバー出演系映画でも、卒業前のまいやんがヒロイン役を務めた「スマホ」では、婦女暴行されかかっていたし、在籍時の堀未央奈が主演を務めた「ホットギミック」には性的な要素もあったし、与田ちゃんがヒロイン役の「ぐらんぶる」は与田ちゃんは性的なことをしていなくても、作品自体は下ネタだらけだったから、乃木坂運営はメンバー出演映画に性的描写があることには寛容的なのかと思っていたが、そうでもないようだ。

そして何よりも惜しいのはストーリー展開だ。

突然、幽霊→人間あるいは人間→幽霊でふれあうことができるようになったり、部屋から出ることができるようになったり、主人公以外にも彼女が見えるようになったり、食べられるようになったり、等々、ご都合主義やツッコミどころだらけなのは許す。

それから、街並みを見渡せるベランダがあるのに主人公が住んでいる部屋が101というのはどういうことと思ったが、崖の上にあるのだろうということで突っ込むのはやめることにする。

あと、何度も個人情報は流出しないと言っていた不動産屋が、主人公に幽霊ヒロインの実名を明かし、墓まで教えたのも百歩譲ってよしとしよう。

そうそう!いきなり主人公の喫煙シーンで始まるのもどうかと思った。まぁ、これは2年間同棲していた元カノが、彼氏が喫煙者なのにタバコの火の付け方すら知らなかった。つまり、お互いに興味がなかった=このカップルはそもそも、うまく行くわけがなかったということを表現しているんだろうが、別にそういう描写はタバコを使わなくてもできるでしょとは思ったかな。

でも、もうちょっとで大号泣作品にできたのに、幽霊ヒロインが成仏することを選んだ理由がはっきりと描かれないことや、彼女の正体がきちんと明かされないことについては不満しか抱けない。

というか、エンディングの映画館のシーンは何?
主人公が訪れた際に客席に幽霊ヒロインと同じ顔の女子生徒がいたが、彼女は幽霊ヒロインなのか?彼女は1人でこの映画館に来ていたと言っていたが、この女子生徒は同級生たちとやってきているのだが、どういうこと?

このラストシーンは、幽霊ヒロインが去ってから何年も後の話で、この女子生徒はヒロインが転生した姿なのか?
それとも、このヒロインは生き霊で、本体はこの女子生徒なのか?友達もいるし、いじめられているようには見えないし、そもそも、主人公はヒロインの墓参りに行っているしね。謎だ…。


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