見出し画像

映画館で同じ作品を繰り返し見る理由

個人的に映画館で同じ作品を複数回見ることはあまり好きではない。

小学校高学年の時にぴあやシティロードの講読をはじめ、中学生の頃には“この世に存在する全ての映画を見たい”なんてアホなことを考え(どう考えても無理!)、ノートに目についた映画のタイトルを次から次へと記入していくなんていうバカなことをしていたこともあるくらいだから、同じ映画をまた見るくらいなら、1本でも多くの映画を見たいというのが持論だ。

なので、過去作品のリバイバル上映(ディレクターズ・カット版など別バージョンを含む)を除けば、同じ作品を映画館で複数回見ることなんて滅多にないのが実情だ。

自分は特典商法なんて全く興味がないから、週替わりで配布される特典を目当てに何度も通うなんて無意味なこともしないしね。

それでも、ごく稀に新作映画を映画館で複数回見てしまうことがある。

睡魔に襲われてしまい途中で見逃した場面があるといったように、最初に見に行った時にきちんと見たとは言えない状況になったので改めて見に行くというケースを除けば、複数回見てしまうのは以下のパターンだと思う。

①ハマってしまった
これは本当にレアケース。「まどマギ」の劇場版(総集編の前後編を含む3作全て、複数回映画館で見ている)とか、見るたびに涙を流してしまう劇場版「あの花」がこのパターン。

②気になった場面のチェック
実は主人公が○んでいたという「シックス・センス」のオチは本編上映前の“ネタバレしないでね”系の告知でなんとなく予測はできていたが、実際に見てみると、本当に伏線のはり方がうまいので(朝ドラ「おかえりモネ」のモヤモヤ描写は伏線でもなんでもないぞ!)、思わず、その伏線のはり方を再度確認しに行ってしまったなんていうのがこのパターン。
最初に見た時にカメオ出演していた人気俳優やミュージシャンがどこに出ていたか分からず、それをチェックするために再度見るというのもこの中に含めてもいいのかな。

③最初の鑑賞時に落ち着いて見られなかった
きちんと本編全部は見ているんだけれども、座席についたのが本編上映開始直前のギリギリで、すぐに鑑賞モードにはなれなかったことから、冒頭の方はちょっと意識が薄くなっていたとか、上映中にトイレだとか通話だとかでしょっちゅう席を立ち、自分の目の前を何度も横切るアホがいたせいで集中できなくなったとかいうケースがこれ。

④別バージョンの鑑賞
通常、ディレクターズ・カット版など別バージョンは、本興行が終わった後、というか、大抵は何年も経ってから上映されるものだが、ごくまれに本興行中に別バージョンが上映されることもある。アニメ映画なんかだと、あるシーンを差し替えただけの複数バージョンを同時公開することもあるしね。
それから、公開開始からちょっと遅れてではあるけれど、本興行中にディレクターズ・カット版の上映もスタートした「ミッドサマー」とか、途中で緊急事態宣言による映画館の休業期間を含んではいるけれど、緊急事態宣言解除後の営業再開時にオリジナル版と合わせてモノクロ版も上映された「パラサイト 半地下の家族」なんかもこういう例としてあげられるのかな。
あと、「シン・エヴァンゲリオン」のように大きな差異はないけれど、一部を修正したバージョンを途中から上映するなんてこともある。問題のある描写を削除したりして続映されるのもこうしたパターンの一種かな。
あと、「カメラを止めるな」みたいに、元々はワークショップの作品だったのに、人気が出て途中から配給会社がついた際に、新たに映画会社のロゴが追加されるといったケースもこれに入るのかな(「カメ止め」は盗作騒動により、クレジット表記の変更という修正もあったが)。

⑤字幕版と吹替版の両方で鑑賞
これも広義では別バージョンでの鑑賞に含まれるのかな。個人的には吹替版で映画を見るのは好きではない。高校生の頃まではテレビの洋画劇場でカットされることが多い吹替版を見たりもしていたが、レンタルビデオや衛星放送などのおかげで自宅でもノーカット・字幕版で洋画を見られるようになったことから、疑似体験ではなく本物の映画を見たいと思うように意識が変わったというのが字幕版重視の理由だと思う。だから、アニメーション映画でも自分は字幕派だ。まぁ、「アナ雪」シリーズは吹替版キャストの演技や歌唱も素晴らしいから、これは字幕と吹替の両方で見るけれどね。
ただ、海外ドラマ(特に英語圏の作品)だと字幕ではなく吹替で見たくなるんだよね…。映画は原語。テレビは日本語ということなのかな?でも、グラミー賞とかアカデミー賞の授賞式は日本語同時通訳つきで見るのは嫌いだから、英語のみの副音声か、字幕付きの再放送で見ているからな…。それに、ワイドショーとかで外国人のコメントに日本語吹替がボイスオーバーされるのなんて大嫌いだしね…。やっぱり、ドラマって媒体に関しては日本語で見たいってことなんだろうな…。

⑥上映環境の不備
実は再度、映画館で見直したくなる一番大きな要因はこれだったりする。
先述した上映中に何度も目の前を通っていくクソどもってのも、これに含めてもいいのかもしれない。
でも、シネコンで映画を見るのが当たり前の時代になってからは、マナーのなっていない観客に鑑賞の邪魔をされた作品を後日、見直すってことをするのは諦めるようになってしまった。
シネコンって、スクリーン前方に近い方に出入口があることが多いから、どうしたって、上映開始後に入場した奴とか、上映中にトイレなどで席を立つ奴、エンド・クレジットが流れ出した瞬間に退席する奴なんかに、スクリーン前を横切られることが多いんだよね。
そうした邪魔をされるたびに、作品を見直していたら、金も時間もなくなってしまうしね。なので、上映環境の不備というのは基本、映画館側に起因するもののことだ。要は上映ミスってことかな。
フィルム上映時代はぶっちゃけ、100%完全な上映なんてなかったと思う。2台の映写機を使って交互にロールをかけかえて上映していたが、大抵、ロールチェンジをする際に、ほんの一瞬、画や音声が飛ぶのは日常茶飯事だったし、かけかえた際に色味がかわったり、映写位置がずれたりなんてことも当たり前だった。
それにフィルムに傷がついた部分をカットして上映するのもよくあることで、劇場スタッフが切られたフィルムを持って館内を歩いている姿を見かけることだってあった。
あと、上映が途中でストップすることこともあったしね。
でも、フィルム上映時は途中で上映がストップしても、手作業だから簡単にストップした直前とか、場合によっては頭から上映をやり直すということができたけれど、デジタル上映になってからは、途中で上映ミスが発生しても、手作業ではないから、完全に上映中止にするしかないパターンが増えているようだ。
それから、シネコンにしろミニシアターにしろ、1つのスクリーンで複数の番組を上映する複雑な番組編成が当たり前になっているので、トラブルが起きた直前もしくは頭まで戻って、仕切り直して上映を再開するというのができなくなっているというのもあるよね。
ちなみに、デジタル上映になってから多い上映ミスというのは、画や音声が一瞬飛ぶとか、フリーズするみたいなやつが多いのかな。データの読み込みエラーもしくは通信の不具合みたいな感じかな?あと、データのダウンロードがきちんとされていないのか、あるいはダウンロードしたデータと映写機器との相性が悪いのか、カクカクしたりする場合もある。
TOHOシネマズ日本橋は、かつては上映ミスが日常茶飯事状態だった。ここでは音声的なミスが多かったかな。天井に破損が発見されたことにより、長らく不完全営業状態になっていたが、その修繕作業が終わり、フルで営業再開されるようになってからは、この手のミスに自分が遭遇することはなくなったが。
あと、上映ミスではなく劇場スタッフのせいで再度見直すはめになるってこともあるかな。
3D上映の際に、大人向けのメガネではなく子ども用のものを渡されたとか、バッテリー式の3Dメガネのバッテリーが切れていたとかいうのもそう。

そして、本作「アイの歌声を聴かせて」を再度見直そうと思ったのは以下の理由によるものだ。

前回、MOVIX亀有で見た際、本編上映前に「本編終了後に、アンケートキャンペーンの告知画面が出ます」というアナウンスがされていたにもかかわらず、本編終了後に告知画面が出るやいなや、劇場スタッフがスクリーン前に陣取って、「とっとと帰れ!」アピールをしたからだ。本編は全部見られたけれど、何か中途半端なものを見させられたような気がして、不完全燃焼感が高まってしまったからだ。

それで、今回、ユナイテッド・シネマ豊洲で見直すことにした。どうやら、今回は告知画面なしの上映だったようだが、これまた、本編の上映が終了するやいなや、劇場スタッフがスクリーン前に陣取り、「次の上映が控えているから速やかに帰れ」と言いだしやがった。

余韻も何もあったものではない…。

結局、ヒットはしていないけれど、ごく一部の需要に応えて上映しているような作品というのは、穴埋め的に上映スケジュールが組まれるから、こうした他作品の観客との入れ替えの時間に余裕がなくなり、劇場スタッフが観客をせかすように追い出すことになるんだろうね。

それにしても、テレビアニメ(ファミリー向け、深夜アニメなど問わず)の劇場版でない、劇場オリジナルのアニメ映画ってヒットしないよね…。
最近はディズニー作品ですら、邦画大手3社系のシネコンがディズニーの配信優先策に反発して上映を見送ったり、プロモーションに消極的になったりしているせいで当たらなくなっているからね…。

ジブリも開店休業状態だから、現在、ヒットする劇場オリジナルのアニメ映画って細田作品とコロナ禍になってからはまだ新作を出していないが新海作品くらいしかないんじゃないのか…。

ここ3ヵ月間くらいに限定しても、「サイダーのように言葉が湧き上がる」、「岬のマヨイガ」、「神在月のこども」、そして本作と良作が立て続けに発表されているのに、どれも興行的にはイマイチだからね…。

こうした劇場オリジナル作品って、画柄は萌え要素が強いのに、声優には本業でない顔出し俳優やタレントを使うから、一般にもオタクにも相手にされないんだよね…。しかも、映画マニアの中にもアニメを格下扱いするのがいるからね…。

もったいないな…。

まぁ、本作に関してはツッコミどころだらけなんだけれどね。
夕方には会社の人間が迎えに来るのに、ポンコツAIのシオンはどうやって、夜にサトミの同級生たちと一緒にサトミを驚かせるマル秘イベントを開くことができたんだ?
あと、シオン奪還作戦の会議はいつやっていたんだ?なんか、昼っぽい描写もあったが、夜の上記イベント直後に拉致られ、さらに、その直後の深夜に会社に侵入したんじゃないのか?

台詞回しもなんか古くさいしね。女子の台詞の語尾が“○○よね”みたいになっていたりするし、ネタかもしれないが、“ギャフン”って言葉も使っているしね。

でも泣けるんだよね。あと、パーカー姿のシオンも可愛い!

それから、この会社の星間というネーミングや、町の住人のほとんどが関係者みたいな設定を見ると、日立と鹿島をまぜたような感じなのかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?