見出し画像

最後のキネ旬

アカデミー賞受賞結果の総括記事が掲載されている本号をもってキネマ旬報の購読をやめたいと思う。正確に言うと、今後、立ち読みする可能性はゼロではないから、購入はやめるかな。

キネ旬は去年7月より毎月20日頃に発刊される月刊誌となった。それまでの月2回発刊(5日頃と20日頃)体制のラストが6月下旬に発売された号なので、実質的にはこの時から月刊化はスタートしている。

旬報という言葉から分かるように、キネ旬は他の月刊誌の映画雑誌やビデオ情報誌よりも速報性に優れているのが強みだった。
それが月1回の発行になると1ヵ月分の情報をカバーすることになり、前号発売よりも前に世に出たニュース、つまり、1ヵ月以上前の古い情報も掲載することになってしまう。

月2回発刊なら、そのスパンが短縮されるので情報の鮮度はある程度保たれていた。

だから、キネ旬は他の映画誌が載せにくい興行分析や製作発表のニュースの記事が豊富だった。

しかし、月刊誌化により、キネ旬に掲載される情報の鮮度は落ち、読むところはなくなってしまった。

今回のアカデミー賞総括記事だって、今回のアカデミー賞授賞式は日本時間3月11日開催だから、3月20日頃に発売する号には間に合わないとは思うが、以前の月2体制なら4月5日頃に発売する号には掲載できたはずだ。

今回の5月号は4月19日発売なので、去年の基準で言えば、半月遅れで情報を載せたことになる。

旬報ではないよね。そもそも、旬報の旬って、上旬・中旬・下旬の旬だしね。だから、月2の発刊でも旬報ではないしね。元々は月3発刊だったらしいが…。

そんなわけで、月刊化されてからのキネ旬は鮮度の面で読むところがなくなっていたのが現状だ。
というか、編集サイドもそうなるのが分かっているから、鮮度が重要な記事は減り、懐古的な特集記事が目立つようになっていた。

音楽雑誌でもそうだけれど、最新情報でなく懐古特集が増えると読むところがなくなるんだよね。

自分がrockin'onとかBURRN!といった洋楽系音楽雑誌を買わなくなった理由もこれだ。

まぁ、キネ旬に関しては月刊化を発表する数年前から、年末年始とかゴールデンウィークの頃には合併号と称して、事実上、月刊誌化することもあったし、それまでキネマ旬報ベスト・テン発表号で誌面に掲載していた、年間公開作品リストをウェブでの掲載のみにしたりもしていたので、刷る紙の枚数を減らしたいんだろうな=経費や人件費を削減したいんだろうなというのは誰が見ても明白だったが。

コロナ禍に入り、全米興収ランキングが掲載されなくなったのも情報の鮮度が落ちた要因かな。コロナ禍初期は正確なデータがないから掲載しなかったのだろうが、米国の興行体制が本格的に復活しても掲載を再開しなかったのは経費削減的なものとしか思えないしね。

あと、これは映画誌だろうと、情報誌だろうと、オヤジ系週刊誌だろうと、なんだろうと同じだが、ジャニーズの巻頭記事が頻繁に載るようになると、その雑誌はオワコン化が加速するが、キネ旬もその傾向が強まっていた。

ジャニオタはジャニーズ所属(今は旧ジャニーズって言わなくてはいけないが便宜上、ジャニーズと呼称する)のグラビアやインタビューが載っていれば無条件で購入する。複数部数買うのも多い。しかも、主演映画公開のタイミングなら謝礼を出す必要もないから、ボロ儲けできる。

そりゃ、発行部数が落ちている雑誌はジャニーズに頼るよね。

エンタメ業界分析誌、日経エンタテインメント! を買わなくなった理由はジャニーズというかジャニオタ依存の誌面構成で読むところがなくなったからだしね。

ここ最近は、アイドル系グラビア誌も買わなくなっていた。地上アイドル運営があまりにも、若い女性に人気があるというアピールをしたいがために、オーバー30の男というだけで、ライブチケット購入の応募をしても落選祭り、当選しても天空席ばかりという冷遇ぶりに嫌気がさしたのが原因だ。
なので、地上系のライブに行く回数が減っている。というか、最近は指原系以外行っていない。まぁ、ここも女子優遇だけれど、イコラブに関しては何回かに1回はアリーナ席に入れるので我慢している。ノイミー、ニアジョイは性別問わない若者人気もアピールしたいのか、基本、クソ席しか来ないが。
そんなわけで、地上アイドルのグラビアにも興味がなくなっしまった。まぁ、グラビアクイーンだった田中美久がHKT48を卒業し、アイドルでなくなったってのも大きな要因だとは思うが。

キネ旬に話を戻すと、月刊化に伴い、ベスト・テン発表は本誌ではなく別冊で行われることになってしまった。今後はこの別冊を買うことはあるかも知れないが、まぁ、本誌は買わないだろうね。



キネ旬は元々、他の映画誌より高いから、どうしてもじっくり読みたい特集がある時だけ買うという時代が長かったけれど、いつの間にか毎号買うようになっていた。

とはいえ、価格はどんどん上がるし、ページ数はどんどん減るし、読むところはどんどんなくなっていくので、これ以上、無駄な金は使いたくないってのが本音かな。

というか、金の使い方に慎重になったのはインボイス導入のせいだね。

全然、チケットをゲットできないならアイドルのFCに入っている意味がない。
全然、新しい情報がゲットできないなら雑誌を買う意味がない。

そんかところかな。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?