8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版
都内の映画館の営業が再開されて以来初めて新宿の劇場で映画を見た。 ぶっちゃけ、新型コロナウイルス感染拡大の悪の巣窟扱いされている新宿には行きたくなかったが、自分の都合に合う時間に見られる映画館が他にないので仕方なく新宿で鑑賞することにした。
営業自粛中やその前後に公開延期になった作品、特にミニシアター系の作品が次から次へと強行突破的に公開されていて、1日あたりの上映回数が少ないものも多く、とてもではないが見たい作品の全てをカバーするのが無理な状況になっている。 映画館、スタッフ・キャストを救いたいという気持ちは分かるし、今すぐにでも金が欲しいというのも理解はできる。そして、最近の国内の感染状況のみならず、ハリウッドの状況なども見れば、いつまた、映画館の営業に制限がかかるか分からない。だから、今のうちに劇場公開作品という箔付けを手にしておこうと焦っているようにも思えて仕方ない。 感染状況を見て、映画興行のあり方を慎重に判断している海外に比べると日本は金になりさえすればいいという傾向が強すぎると思う。それは、Go Toなんたらとか、レジ袋有料化にも通じるんだけれどね。
それにしても、一時期はほとんど見かけなくなっていた中高年観客が戻ってきているな…。 感染拡大が心配だ…。 まぁ、ミニシアターだから中高年が多いのかも知れないが…。感染が拡大している20代が多いシネコンには怖くて行けないが、ミニシアターなら若者が少ないから安心みたいな発想なのだろうか?
そんな中、見た作品は緊急事態宣言下に配信がスタートしたリモート作品をまとめた「8日で死んだ怪獣の12日の物語」の劇場版。 本作の配信版は見ていないが、他のリモート作品に比べると映画館で鑑賞するのに耐えうるクオリティーにはなっていたとは思う。 とはいえ、所詮、ネット動画ではあるから、これで1800円とか1900円の入場料を取られるのは高いかなという気はするけれどね…。
でも、面白かった。著名俳優やタレント、映画監督が自分と似たような名前の一応別人として登場するモキュメンタリー的な構成だが、特撮モノやアニメ、コミックが好きな人にはニヤリとできるネタも多いし、良く出来ているとは思う。
ただ、本作には「批判するだけで何も行動しない人に対する批判」が描写されているが、これって野党とかリベラル思想の人に対する批判なのかなと思ったりもした。 それから、もしかすると、アベノマスクを肯定しているのかなとも思える箇所もあったのも意外だった。 斎藤工が主演で主題歌が小泉今日子と来ると左寄りのイメージがあるので、そういう野党批判・与党肯定とも捉えることが出来る描写があるのには驚いた。
それにしても、岩井俊二が本作では監督・脚本のみならず、色んなポジションを兼任しているのには感心した。
1席あけた隣に座っていた観客がエンドロールを見ながら、“岩井俊二、いくつやってんだよ!”みたいなことを思わず声に出してしまっていたからな…。
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