見出し画像

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

2016年公開版の「スーサイド・スクワッド」は全米興行収入が3億ドル超の大ヒットとなったし、ジョーカー以外の登場キャラクターの知名度が低い日本ですら興収17億円超という好成績をあげた。

そして、サウンドトラックからは、トゥエンティ・ワン・パイロッツ“ヒーサンズ”、ロックやヒップホップ界の豪華アーティスト6組のコラボによる“サッカー・フォー・ペイン”などのヒット曲が誕生した。

さらに、この作品でハーレイ・クインというキャラクターの人気が高まり、ハーレイを主人公にした映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」も作られたし、日本でもハロウィーンの時などにハーレイのコスプレをする人が増えたりした。

でも、世間一般的には「スーサイド・スクワッド」は失敗作とされている。
個人的にはそこそこ楽しめたが、アメコミファンや批評家からは駄作と酷評されてしまった。

その理由についての分析はここではしないが、その結果、今回の映画は「スーサイド・スクワッド」の続編ではなく、リブートされた「ザ・スーサイド・スクワッド」として製作されることになった。

ただ、監督がかわり、登場キャラクターや演じるキャストに変更が多いのにもかかわらず、ハーレイ・クインが今回も登場し、演じるのもかわらずマーゴット・ロビーであるということは、“前作”が嫌いな人でもハーレイというキャラクターと、ハーレイを演じたマーゴットの演技やビジュアルは否定することができなかったってことなんだろうね。

そして、実際に本作を見た感想としては、上映開始から3分の2くらいまではつまらなかったとしか言えないかな。ぶっちゃけ、酷評された5年前の“ザ”なしの方が面白かった。

懐かしの名曲やヒット曲が次から次へと流れ、人間でないしゃべるキャラクターも出てきて、コミカルに展開していくというのは、本作のメガホンをとったジェームズ・ガン監督の代表作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズそのもの。というか、劣化した「GotG」でしかなかった。

ただ、クライマックスになって、“怪獣”が出てきたあたりからは面白くなってきたとは思う。
もっとも、DC原作アメコミ映画を見ているというよりかは、「パシフィック・リム」シリーズや「モンスターバース」シリーズなどのレジェンダリー作品を見ているような気分だったけれどね。

まぁ、DC映画も「パシリム 」も「モンスターバース」もワーナー配給作品だから、そんなに大差はないのかもしれないが。

そして、本作や“前作”が批判された理由ってのもなんとなく分かるんだよね。要は今のポリコレ至上主義のハリウッドでは、黒人や女性の主張は全て正しいという感じだから、非人道的な政府高官が黒人で、しかも女性というのは、反感を買いそうだしね。しかも、本作ではこの黒人女性高官の非人道さは“前作”よりもエスカレートしているからね。

また、本作のダーティー・ヒーロー軍団のリーダーであるブラッドスポートは黒人キャラだけれど、サメ人間のメンバーに偏見を持っていたり、別のメンバーが操るネズミを毛嫌いしていたりするのも批判の対象かもしれない。それって、“自分たちは差別されている。我々に人権はないのか?”とか主張していながら、白人以上にアジア系差別をしている黒人の姿そのものだしね。まぁ、ポリコレ・リベラル至上主義の人が見たら、イラっとするだろうね。

でも、このブラッドスポートの反抗的な娘は可愛いかったな。そして、この娘が終盤で、“怪獣”退治で活躍した父親の様子がテレビニュースに映し出された際に、“アレ、うちの父親!”って周囲にアピールするところなんて「アルマゲドン」クラスの感動的なシーンだったと思う。

それにしても、マーゴット・ロビーのハーレイ・クイン、可愛いというよりかはキレいって感じになった気がするな。赤いドレス姿は良かったと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?