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もしも、イケメンだけの高校があったら

世界的には、好むと好まざるとにかかわらず、エンタメやアートの世界ではポリコレ思想に基づいた作品作りをしなくてはならなくなっている。

でも、日本のエンタメ作品ではそうではない。

いまだに、性や人種、宗教、職業などによる差別や偏見がまかり通っている作品だらけだし、善悪の判断も昭和の基準で止まったままだ。
しかも、中高年向けの作品だけでなく、10〜20代が好む作品だってそうだ。
いかに、日本人の考え方が後進国になっているかが分かると思う。
日本人にロシアや北朝鮮を批判する資格なんてないんだよね。

勿論、ポリコレ思想が蔓延しているせいで欧米のエンタメがつまらなくなっているのも事実だと思う。

アカデミー賞やグラミー賞などのエンタメ系の賞レースでは、黒人や女性、障害者、LGBTQの俳優や監督、アーティストを評価しなければいけない風潮になっていて、候補作品や候補者の顔ぶれが非常につまらないものになっている。
また、歴史ものであるにもかかわらず、黒人が貴族社会や戦場で重要なポジションを担うキャラクターになっていたり、原作では白人と設定されているキャラクターを黒人俳優が演じていたりすることも増えたが、それも行き過ぎたポリコレだと思う。

でも、昭和の基準で止まったままの日本もどうかと思う。少しは思考をアップデートしろよとは思う。

海外では、性や人種、宗教、職業などによる差別と並んで、見た目による差別、いわゆるルッキズムを撤廃しようという動きが盛んだ。
太めの体型の女優やアーティストが活躍する機会が増えているのもそうした流れだ。

だが、本作は明らかにそうした流れとは逆行している。イケメンこそが正義という主張を平気で垂れ流しているわけだからね。

東京五輪の開会式で渡辺直美をオリンピックならぬオリンピッグにしようというバカなアイデアを出した演出家の佐々木宏が批判されて降板することになったけれど、それと根底にある思想は一緒だ。

でも、日本のフェミとかリベラルと呼ばれる人たちは、本作を批判しないんだよね。本来ならこういうルッキズムに満ちた作品は認められないはずなのにね。仮にこれが、イケメンコンテストの話ではなく、ミスコンの話なら、イケメン俳優大集合の作品ではなく、秋元系アイドル大集合の話なら猛批判していたよね?

日本のフェミとかリベラルと呼ばれる連中が信用できないのって、こういうところなんだよね。

確かに、日本のアニメやアイドルの文化においてポリコレ的な配慮がほとんどなされていないのは事実だと思う。

でも、日本のフェミやリベラルは男のオタクが好きなものは批判するくせに、自分たちの好きなものはポリコレ的にはNGでもマンセーするんだよね。特にイケメン俳優やジャニーズには甘い。

あれだけ、コンビニや書店に成人雑誌を置くなと言っていた連中がananの毎年恒例SEX特集を容認しているのは、イケメン俳優やジャニーズが表紙になっているからだしね。

劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』で“理想の花嫁”キャラクターの投票を行ったことが問題になったけれど、容認する女性が多いのは、コナンは自分たちが好きなコンテンツだからでしょ?これが、萌えキャラのアニメだったら猛批判するよね?

オッサンと若い女性の恋愛ものを批判する連中が、オッサンと若い男の関係なら容認するのは自分たちがBLが好きだからでしょ。

本作だって、フェミやリベラルが大嫌いな秋元康が企画した作品で、しかも、ヒロイン役は秋元系アイドルなのに批判しないのはイケメン俳優が大挙出演しているからでしょ。

本当、日本のフェミやリベラルってダブルスタンダードだらけなんだよ。というか、野党もそう。だから、どんなに自民が酷くても、野党の支持か伸びないんだよ!

本作のストーリーなんて、ルッキズムによる差別・偏見だらけだしね。
イケメンではないとされる主人公がイケメンコンテストの出場者候補に選ばれるという設定自体、見た目による差別を助長しているしね。

しかも、主人公とコンテスト出場を競う面々やコーチは主人公の内面の美しさを見出したけれど、女子生徒はヒロイン以外は最後まで主人公に興味を持っていなかったし、女性校長も最後まで主人公をイケメン扱いしなかった。そして、主人公はコンテスト出場者には選ばれなかった。出場者に選ばれた者には、虚偽を働いた者もいるのにね。

結局、人は見た目でしか判断されないってことでしょ。全然、内面の美しさで人を評価しようという内容になっていない。酷い内容だよね。ルッキズムに満ちあふれているしね。まぁ、最後に主人公がヒロインに好きと言われて、試合には負けたが勝負には勝った状態になったのが救いではあったが。


ところで、イケメンではないとされる主人公を演じた細田佳央太だが、誰が見てもイケメンだよね。
本作では寝ぐせのキャラだし、「ドラゴン桜」では発達障害の生徒役、「町田くんの世界」では地味なメガネ男子役だったけれど、イケメンだよね。そういうキャスティングからして、本作が本気で内面の美しさを描く気がないのはバレバレなんだけれどね。

とりあえず、ヒロイン役の遠藤さくら(乃木坂46)が可愛いからいいか!
確かに、えんさくって変わった男子を好きになりそうな雰囲気あるしね。

まぁ、こんなことを言っている自分にポリコレについて語る資格はないんだけれどね。

ところで、このヒロインには自分のことを好きな幼なじみ(主人公と同じくコンテスト出場候補)がいるけれど、東京23区、しかも、下町育ちの自分には、アニメやドラマの学園もので出てくる、この幼なじみという設定の感覚が分からないんだよね。区立の小中学校なら基本、同級生どころか、全校児童・生徒全てが徒歩で歩いていける距離内に住んでいるからね。要は同世代の同じ小中学校卒業者はみんな、幼なじみみたいなものだからね。

それはさておき、=LOVEの齊藤なぎさ(イコラブのファンなのに齊の字が書けない…。手書きでなくても、毎回ネットで調べないと分からないのは情けない限りだ)が、ヒロインの親友役として出演しているけれど、ほとんどストーリーには影響しない役だよね。ほぼ、モブキャラ。きちんとした台詞もほとんどないし。しかも、ヒロインの親友なのに、ブサイク扱いされている主人公には興味を持たないし。

それから、本作の出演が決まった時に“学園ドラマ初挑戦”とうたわれていたけれど、2018年の「幸色のワンルーム」って学園ドラマじゃないのか?
ヒロインをいじめる同級生役で出ていたよね?
内容が問題視され、関東ではテレビ放送されなかったから、黒歴史扱いにしているのか?
それとも、ヒロインと彼女を“誘拐”した男との逃避行が中心で、学校絡みのシーンは少ないから学園ドラマ扱いしていないということか?

とりあえず、来期もなーたんは深夜ドラマに出演するようだし、バラエティ番組にもちょくちょく出ているし、イコラブの顔として運営が売っていこうとしているということはよく分かるな。

《追記》
ところで、本作の女性校長が“満天の夜空”なんていう間違った言葉を使っていたが、こんなのに教わる生徒たちはかわいそうだな。まぁ、ルッキズムによる差別をしている時点で、この学校はクソなんだけれどね。

※画像は番組公式HPより

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