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クリード 過去の逆襲

やっぱり、過去の「ロッキー」サーガ8作品に出演していたシルベスター・スタローンが出ていないどころか、脚本も書いていないし(過去7作品で担当)、監督もしていない(4作品で担当)作品を同サーガの1本としてカウントするのは無理があったと思う。

でも、プロデューサーとしてクレジットされているのは謎だ。本作のストーリーに納得していないという発言をしていたはずなのにね…。ストーリーに納得していないから出演しなかったのか、出番がないからストーリーを批判しているのかはよく分からないが。

まぁ、スタローン色が薄くなったことで単なる黒人映画になってしまったのが、「ロッキー」サーガに見えない最大の要因だよね。
白人のレフェリーとか、ヒスパニック系のボクサーとか出てくるけれど、観客席はほとんどが黒人だからね。

黒人の監督や俳優って、白人監督の作品や白人の俳優の主演作品だと、黒人の出番がないとか何とかブーブー文句を言うくせに、自分たちが主導権を握れる作品だと不自然なくらい、金持ちも貧乏人も黒人ばかり出てくるからね。

サーガ最大の悪役であるドラゴの息子を前作に引き続き登場させ、クリードの愛弟子のヒスパニック系ボクサーと対戦させるとしておきながら、何者かに襲われてあっという間にドラゴ息子は退場。

そして、過去2作には出てこなかったクリードの幼なじみというか同じ施設出身のムショあがりの男が対戦相手になるけれど、ヒスパニック系も幼なじみも訓練のシーンもなくいきなり対戦シーン。そして、愛弟子のヒスパニック系がボロボロにされたから、その仇討ちで引退していたクリードが復帰し、この幼なじみと対戦するといういい加減なストーリー。

しかも、その間に余計な描写も満載。

クリードとこの幼なじみが施設で虐待を受けていたという設定はいるか?はっきりと言及されてはいないが、多分、性的な虐待をされていたのだと思うが、こういう描写を入れるのって、クリードも幼なじみも悪くないよって思わせるためでしょ?

それから、クリードの母親を死なせる必要もなかった。クリードの母親ということはアポロの妻だ(クリードはアポロの息子ではあるが隠し子のため母親と血は繋がっていないが)。アポロとは“好敵手と書いてともと読む”関係のロッキーが葬儀に参列しないのもおかしいよね。仮にロッキーとクリードの関係が悪化していたとしても、大親友アポロの妻が死んだんだから普通はロッキーは来るよね。せめて、大人の事情でスタローンを出せないなら、体調が悪化してロッキーは参列できないが、弔電を寄こしたくらいの説明台詞くらいあっても良かったのでは?

あと、ボクシングのシーンでいかにも、CGとかVFXで肉体の動きを表現してみましたみたいな描写があったり、クリードと幼なじみがリング上で対戦しているのに周囲の観客が急にいなくなり2人だけの世界になったり、リングが刑務所の檻になったりとか、そんなアニメっぽい描写は「ロッキー」サーガには求めていないから。

と、色々と批判してみたけれど、全米のオープニング興行収入はサーガで最大の数字をあげているんだよね。

恐らくだけれど、黒人の観客には受けているんだろうね。

日本人から見るとクソつまらない「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」が大ヒットしただけでなく賞レースに参戦したり、日本のみならず東アジア全般で不評で日本に先駆けて公開されている中国・香港・台湾・韓国では軒並み興収ランキング初登場首位を逃している実写版「リトル・マーメイド」が米国では大ヒットとなっているのを見ると、米国では黒人観客に受ける作品を作るのがマーケット的には正しいと判断されているってことなんだろうね。今の米国の映画興行は黒人が支えているってことかな。つまり、最近、日本製アニメ映画が東アジアの国や地域でヒットしているのは、黒人至上主義のハリウッドに嫌気がさしているってことかな。

ところで、本編終了後にオマケで上映された短編アニメーションの「CREED SHINJIDAI」って意味不明だったな…。まぁ、普通は同時上映の短編って、メイン作品の前に上映されるのに、これは後になったというのも分かるけれどね。全然、サーガのファンには受け入れられない内容だよね。未来を舞台にクリードの血を継ぐ者が活躍するSFアクションみたいな話だしね。というか予告編みたいな作品だった。これを見ると、先述した「クリード 過去の逆襲」におけるアニメっぽい描写も納得する。クリード役の主演俳優で「過去の逆襲」の監督でもあるマイケル・B・ジョーダンがやりたかったのはスポ根アニメっぽいものであり、これまでのサーガの肉体戦のようなものではないってことなのかな?

「過去の逆襲」は日本の観客動員数ランキングではトップ10内に入ることができない=サーガ史上過去最低の成績となっているから、仮に今後、続編が作られたとしても日本ではBlu-rayスルーとかになりそうだな…。

というか、クリードの娘がボクシングに興味津々な描写がちょくちょく出てきたけれど、今後は娘を主人公にする気か?黒人で女性でしかも、この娘は障害者だから、彼女を主人公にした作品を作れば批評家受けは良さそうだけれど、そんなの「ロッキー」サーガでもなんでもないよね。

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