見出し画像

不遇のエース田中美久

HKT48加入から10年、みくりんこと田中美久の卒業が発表された。この10年間の彼女を振り返ってみて思い浮かぶ言葉は不遇のエースだった。

そもそも、矢吹奈子とのコンビで売り出した際の呼称自体が“なこみく”で奈子が一番手扱いだった。ファーストネームを五十音順で並べただけだとか、生年月日順だとか、単にみくなこよりもなこみくの方が言いやすいからだという理由なのかも知れないが、ゆいかおりの例を出すまでもなく、一般的にはコンビ名というのは最初に名前がある方が人気があるとか、格が上とか、あるいは活動を主導しているメンバーというケースが多い。CHAGE and ASKAは例外といったところだろうか。

また、奈子が元々、HKTのメンバーだった指原莉乃のファンだったということもあり、さしさんにしろ、指オタ(指原ファン)にしろ、運営サイドにしろ、本人たちはひいきしているつもりはなくても、奈子に肩入れしていた面は否定できないと思う。

2015年に明治座で行われた「指原莉乃座長公演」に奈子は重要な役で出演したのに、みくりんはキャストに選ばれなかったことからも分かるように、指オタに支持され人気のある奈子を優遇しようという風潮はあったと思う。

そんなわけで、当初はなこみくでは奈子派だった自分は、あまりにも運営や指オタが“奈子!奈子!”とひいきするのに嫌気がさして、みくりん派になってしまった。

2017年のAKB48グループの選抜総選挙で奈子よりもみくりんの方が順位が高かったのは、こうしたみくりん派の怒りの声が高まった結果だと思う。もっとも、翌2018年の総選挙は親玉のさしさんが出場辞退し指オタ票が奈子に流れた面もあり、2年連続でみくりんが奈子を上回ることはできなかったが…。



この頃、みくりんは新たな活動の場を見つけることになった。それはグラビアだ。正確に言うと、水着姿を中心としたグラビアだ。

一方、奈子は2018年秋にK-POPグループIZ*ONEのメンバーとして活動するため、HKTから期間限定で離脱することになった。このIZ*ONEにはHKTの当時のエースだったさくらたんこと宮脇咲良も参加していた。
さらに、2019年にはさしさんがHKTを卒業。長いこと体調不良で戦線離脱していたグループの顔(センターのイメージが強い)だったはるっぴこと兒玉遥も正式に卒業。
これにより、みくりんは事実上、HKTの人気トップとなった。

しかし、2019年の年明け早々に発覚したNGT48メンバーに対する暴行騒動により、AKBグループの運営は分社化することになった。
そこへ来て、コロナ禍に突入し、HKTは九州を出ての活動が限定的になってしまった。
しかも、さしさんやさくらたん、はるっぴといった知名度の高いメンバーが相次いで離れていってしまった。

そんな中、孤軍奮闘してHKTの名前を広めてくれたのが、グラドルとして活動するみくりんだった。2021年に発表された写真集はベストセラーとなったし、次から次へと雑誌の表紙及び巻頭グラビアに登場したことから、2022年にはカバーガール大賞の芸能・音楽部門で受賞するほどだった。



しかし、HKTの運営は誰よりもグループの知名度上昇に貢献したみくりんを冷遇した。

2021年春にIZ*ONEに“レンタル移籍”していたさくらたんと奈子が帰国しHKTに戻ってくると、あっさりとHKTを奈子と愉快な仲間たち状態にしてしまった(さくらたんは復帰後すぐに卒業)。

しかし、世界的に人気を集めたK-POPグループのメンバーだった奈子が九州中心の活動なんてするわけがない。というか、それでは首都圏など大都市圏の膨大なファンのニーズに応えられない。だから、運営サイドがいくら奈子モードのグループにしようとしたってうまくいかない。そのせいで、HKTはかつて、ライブモンスターとの称号で呼ばれていたことがウソのようなつまらないライブをやるグループになってしまった。

その運営が推していた奈子は当然のように東京での仕事をしたいから、HKTを卒業することになった。そして、2023年2月に奈子の卒業シングルとして、“君はもっとできる”をリリースした。当然、センターは奈子だ。



普通に考えたら、なこみくの半分を担っていたメンバーの卒業シングルなんだから、なこみくのWセンターもしくは、奈子の単独センターだけれど、2番手のポジションにみくりんを配置するはずだ。ところが、運営は序列5位にみくりんを配置した。奈子ファンですら、“は?”と思ったはずだ。

多分、本人だと思うが当時のツイッターでみくりんに対する冷遇についてツイートしたら、“いいね”がついたので、おそらく、本人もかなり不満に思っていたのではないかと思う。

というか、HKT運営が冷遇しているのはみくりんだけではない。ここ最近、相次いでいるHKTメンバーの卒業のほとんどに共通していることは、実力のあるメンバー、人気のあるメンバーの飼い殺しだ。今月、卒業コンサートを開いたなっぴこと運上弘菜にも言えることだ。
センター経験者や安定した支持層がいるようなメンバーを奈子シフトにしたいとか、5期や6期の新しいメンバーを売り出したいという理由で、その他メンバー扱いにしたのではモチベーションが低下し、卒業してしまうのは当然だと思う。

信者化したファンは新規開拓のため、K-POPファンを取り込む奈子シフトや、フレッシュなイメージを持ってもらったりロリコンなおっさんオタクにアピールするための新しいメンバーの売り出しは正しい戦略だと正当化するかも知れないが、そんなのは、これまで貢献してきたメンバーやそのファンに対する侮辱でしかない。



なっぴの卒コンも9月にHKT48劇場での卒業公演を行った後、間を置いて10月になって開くという急な卒業発表を感じさせるものだったが、みくりんのスケジュールはさらに運営との意見の対立を感じずにはいられないスケジュール感になっている。年内に卒業し、卒コンは来春ってどういうことだ?
乃木坂46の西野七瀬や齋藤飛鳥クラスなら、というか、HKTのOGのさしさんもHKT卒業後に、福岡で感謝祭を開いたりもしたが、こういうライト層も含めたチケット争奪戦になるメンバーなら大会場を用意しなくてはいけないから、卒業後に卒コンというのも仕方ないのかも知れない。

でも、みくりんクラスで卒業から卒コンまで数ヵ月も待たされるってのはありえない。七瀬や飛鳥、さしさんのようにドルオタ以外にも知られているわけではないからね。

となると、運営との卒業時期を巡る見解がなかなか一致しなかったとしか思えないんだよね。

というか、年内卒業扱いということは、みくりんの卒業シングルは出ないということだ。なっぴの卒業シングルもなかったが、なっぴもみくりんも卒業シングルなしで卒業させてしまうって何考えてんだろうかね?本当、クソ運営だね。

みくりんの卒コンが首都圏で行われるのか否かは分からないが、卒業後は東京を中心に活動するらしいので、同じく東京での活動にシフトした奈子の卒コンが横浜、卒業後の進路がよく分からないなっぴの卒コンがお台場ということを考えると、みくりんの卒コンも首都圏開催になるのだろうか?

そして、首都圏開催なら間違いなく参戦することになるのだろう。現在のHKTの1推しだし。
ただ、その卒コンをもってHKTのモバイル会員は脱会すると思う。実際、ほとんど、このモバイル会員になっていることによる特典ってないしね。せいぜい、他のAKBグループのチケットを買う時に使うくらいだしね。HKTのライブのチケットはこのモバイルとはほとんどリンクしていないから、いつ切ってもいいんだけれど、みくりんのために温存していたんだよね。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?