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コールドプレイ来日公演 MUSIC OF THE SPHERES WORLD TOUR WITH SPECIAL GUEST YOASOBI 2023年11月7日(火)

オープニングアクトとは呼ばずスペシャルゲストと呼ぶのは、いかにも、日本レコード大賞や日本アカデミー賞でノミネートを候補作品や候補者と呼ばず(最優秀賞選考の基となる)優秀賞受賞作品(賞)とする日本の芸能界のやり方って感じがしてなんだかなとは思う。

まぁ、オープニングアクトのことを日本語では前座と呼ぶこともあり、前座を新人やまだブレイクしていないもしくは人気が下降したアーティストが注目の機会を得るためにメインアクトの登場までの時間をあたためるポジションと捉えている人も多いから、オープニングアクトとか前座という言い回しを避けているのだとは思うが…。



そして、その“スペシャルゲスト”がYOASOBIであることは、日本の洋楽ロック系メディアやファンの感覚からすると、“は?”と思われることは間違いないだろう。

その背景には、邦楽(自国のアーティストの音楽)好きは邦楽しか聞かない、洋楽好きは洋楽しか聞かないという人が日本人には多いからだ。

というか、邦楽、洋楽問わず日本人にはフェスや対バンに参戦してもお気に入りのアーティスト以外を見ようとしない者が多い。お気に入りが出てくるまで前方に居座りその間はステージを見ようともしない地蔵とか、地下アイドル現場でトラブルになっている正規の整理番号を無視して自分の仲間のみを最前エリアに入れようとする最前管理なんていうのはそうした国民性から出てくる問題だと思う。

だから、関連性の薄いアーティストをオープニングアクトに起用すべきではないと個人的には感じている。YOASOBIだけを目当てにチケットを買う人がいるからね。



前回2017年の来日公演の際は“スペシャルゲスト”がRADWIMPSだった。確かに、RADのファンには洋楽に興味がないのが多いので、これも人選ミスと言えばミスかも知れない。とはいえ、RADはBUMP OF CHICKENのフォロワー的な音楽性と指摘されることも多いし、バンプの楽曲にはコールドプレイのパクリと批判されるようなものある。そう考えると、間接的ではあるが、コールドプレイとの共通点はあるのかも知れない。



でも、今回のYOASOBIは音楽的な共通点はないと感じている人が多いのではないだろうか。確かにジャンル的には異なるフィールドだ。日本の洋楽マーケットは縮小しているからコールドプレイだけでは集客には限界があるし、マスコミも注目してくれない。だから、客寄せパンダとして現在の日本の音楽シーンで最も人気のあるアーティストでなおかつ、海外でもそれなりに知名度のあるYOASOBIを引っ張ってこようとなったのだと推察されるのも仕方ないとは思う。

しかし、コールドプレイがYOASOBIを引っ張ってくること自体は不思議ではない。
これまでにも、ジェイ・Zやリアーナ、ビヨンセ、アヴィーチー、ザ・チェインスモーカーズ、BTS、セレーナ・ゴメスなどの幅広いジャンルのアーティストとコラボしてきている。しかも、最新アルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』はかなり、ロックと言うよりかはポップ寄りのサウンドだ。デビュー当初はU2をアート寄りにしたのがレディオヘッド、商業寄りにしたのがコールドプレイなんて言われたりもしたけれど、現在の音楽性はマルーン5の方が近いくらいだ。そう考えると、YOASOBIの起用はおかしくないのではないかと思う。



ところで、今回の日本公演では来場者にマイボトルの持参を呼び掛けるなど環境保護に配慮したものになっているが、相変わらず、欧米のセレブやリベラルの主張する環境保護って矛盾だらけだよね。
そもそも、環境保護を訴えるなら照明がいらない昼間に野外でアコースティック演奏すればいいのに、東京ドームという屋内会場で大規模なライブをやっているし、紙吹雪というゴミになるものが舞う演出をしているのも意味不明だ。
また、マイボトル持参を呼び掛けるなら、東京ドーム内でのあらゆる飲食品の販売を停止すべきだと思うがそれもしていない。結局、金儲けなんだよ。

それから、自家用車でなく公共の交通機関を利用して来場しろという呼び掛けも欧米的だ。国内でも地方の公民館ならまだしも、首都圏のライブ会場は基本、公共の交通機関での来場がデフォルトだ。ましてや本公演の会場である東京ドームは都心部にある。遠征民はおそらく、周辺のホテルに泊まるか公演終了後ダッシュで新幹線に乗り込むって形だろうから、直接、東京ドームに車で来る人はほとんどいないと思う。

その辺の発想が欧米的なんだよね。日本国内でも地方ではそういう面はあるが、東京はそうではないんだよ。

というか、レジ袋の有料化もそう。欧米や国内地方の概念は東京には当てはまらない。

こうした地域ではダストボックスにゴミを投げ入れるという集積システムのところもあるし、地方では生ゴミは自宅で燃やしたり堆肥にしたりしているところもある。だから、生ゴミの水分が漏れるのを防止する目的でレジ袋で小分けする必要がない。というか、そもそも、買い物も週に1回まとめて車で買いに行くという車社会だからレジ袋もたまらない。

そういう地域と東京では生活の仕方が違うのだから、欧米や地方のルールを押し付けるなと言いたい。レジ袋を有料化するなら、半透明のゴミ袋に入れてゴミ出しするというルールも撤廃しないと矛盾しているんだよね。そもそも、そのゴミ袋だってビニールなわけだしね。結局、その半透明のゴミ袋を作っている業者と行政サイドとの癒着があるってことでは?



あと、東京ドームもクソ。チケット表記と会場の案内図の階数が一致しないのはダメだろ!きちんと統一しろ!

それから、こんな後ろから数えた方がはやい席をS席と称して2万円も取るのはぼったくりもいいところだ。それをぼったくりと思わせないためにチケットに2階席と表記するなんてサギもいいところ!

そうそう、客もクソ!隣の席が男と分かった途端、自分の彼女の席を移動させる野郎って感じ悪いよね。男がいる女になんか興味ねぇよ!
そして例によって外国人観客のマナーは酷い。危ないから2階スタンド席(実際は4階)最前列は立って見るなと告知されているのに立って見ている奴ばかり。というか、日本人の観客もマナーを守っていない。規制退場すると言っているのに守らない奴だらけだから出口が塞がってしまい全然動かなくなってしまっているしね。



観客については20代と見られるのが結構いて驚いた。コールドプレイに興味がないが、5万人規模の会場なら普段なかなかチケットをゲットできないYOASOBIのライブを見ることができると思った人もいるとは思うが、それに加えてコラボしたBTS経由でコールドプレイを好きになった人もいるのかなと思った。



ライブ自体について語っておこう。



YOASOBIに関しては、先述したように日本人というのは洋楽オンリー、邦楽オンリーのリスナーが多いので、ぶっちゃけ、このステージはアウェーな環境だったと思う。
だから、“祝福”、“勇者”、“優しい彗星”、“怪物”、“アイドル”といったアニメのタイアップ曲を次から次へと投入したセトリにしたのだろう。これは、ライト層に向けては非常に効果的なセトリだと思う。前回のコールドプレイの来日公演でオープニングアクトを務めたRADが変なプライドを発揮して、一番有名な楽曲である“前前前世”をやらなかったのとは対象的だ。



コールドプレイについては開演直前に、欧米のリベラル思想に洗脳された弱者系野党支持者みたいのが出てきて環境問題とかを語り出した時は、クソライブになるかなと思ったが最終的には最高のライブだった。

まぁ、パペットとのデュエットとか、エイリアンみたいな被り物をしてメンバーが演奏したりとか、途中まで歌ったところで、“この曲は携帯をしまって聞いてくれ(そもそも、日本人はライブ中はそんなに携帯でパシャパシャ撮らない)”と言って最初から歌い直すとか、謎の演出はいくつもあったけれどね。



とりあえず、ツアーのタイトルにもなっている最新アルバムを聞くと、ほとんどマルーン5状態の音楽性になっているけれど、その最新作収録曲ですら、こうしてライブで演奏されるときちんとロックになっていたことには感心した。

それにしても20年以上にわたってアンセム級の名曲を連発してきたバンドだけあって、ライト層でも何となく知っている曲だらけだから、まぁ、盛り上がるよね。

“美しき生命”、“ヒム・フォー・ザ・ウィークエンド”、“パラダイス”、“ア・スカイ・フル・オブ・スターズ”、“サムシング・ジャスト・ライク・ディス”といった自分が好きなコールドプレイ楽曲トップ5全てを聞けたので満足だった(“ヒム”は短縮版だけれど)。

ところで、最近の洋楽ライブって、きちんとここまでは本編、ここからはアンコールってわけないのが流行っているのかな?コロナ禍に入り声出し禁止の時期があった影響でアンコールを求める声がなくてもスムーズに進行できるように考えた演出とか?
まぁ、明らかに間があるからここまで本編というのは何となく分かるんだけれどね。

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