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青春18×2 君へと続く道

正直なところ、この題材は藤井道人と清原果耶の無駄使いとしか思えない。
でも、この内容がクソ映画になっていないのはこれが3度目のタッグとなる監督・藤井道人、ヒロイン役(or主演)・清原果耶のコンビの力量のおかげたと思う。

そもそも、日本と海外の合作映画って、日本映画としても、合作相手の国や地域の映画としても中途半端な作品が多い。

それは、帰国子女が日本の文化も、滞在していた国や地域の文化も中途半端にしか理解しておらず、どちらのコミュニティにいても中途半端な存在となっているのと同じだと思う。

そして、スタッフやキャストの多くを相手国・地域でかためていても、日本側が主導したプロジェクトであれば大抵、つまらない作品になる。要は国や自治体、関連産業などのプロモーションビデオになるからだ。

合作でも、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のように相手国(米国)主体で作れば、きちんとした面白い映画になるが、日本映画要素が強い作品だとどうしても、クソ映画になりがちだ。

おそらく、その背景にあるのは日本側の相手国・地域を見下した態度があらわになっているからだと思う。

この手の合作映画って、大抵、日本人キャラクターは外国人キャラクターに対して上から目線で接する。呼び捨て、タメ口は当たり前だ。
その一方で、外国人キャラクターは日本人キャラクターに対して、さん付けだし、敬語で話すことが多い。ネイティブでない人が日本語を話すとそうなるというのもあるのだろうが、日本人キャラクターはほとんど相手側の言語を話そうとしないから、相手側の文化を見下しているのは間違いないと思う。

本作においては、日本人のヒロインと台湾人の主人公はお互い呼び捨てだけれど、ヒロインはほとんど、現地の言葉を話さないし、主人公はたどたどしくはあるけれど丁寧な日本語でヒロインに話しかけているから、作中に日本人>台湾人という上下関係があるのは間違いない。

バブル期の合作映画ならまだしも、日本の後進国化が進んでいる現在にこんな上下関係を見せつける映画を作るのはどうかと思う。

結局、藤井道人のような社会派扱いされる作風の監督ですら、ネトウヨに毛のはえた程度の国際感覚しか持っていない。悲しいかな、それが日本映画界の現状なんだと思う。

それから、ストーリー展開がご都合主義すぎる。日本にやってきた主人公がどこかを訪れるたびに都合よく助け船を出す人が出てくるのは笑ってしまう。

日本で生活する台湾出身の料理人とか、主人公が開発したゲームのプレーヤーとか都合良すぎるキャラクターのオンパレードだ。

金を失ったヒロインが台湾でたまたま職を求めた先が台湾社会にとけこんでいる日本人が経営する店というのもご都合主義の極みだ。



そもそも、この「青春18×2 君へと続く道」というタイトルって、青春18きっぷのプロモーションビデオ的作品という発想でつけられたのでは?製作委員会にJR東日本が入っているしね。

そう言えば、自分と母親が今の住居に引っ越してきて、もうすぐ18年だ。あっという間だな…。ほとんど成長していない気がする。見た目もそんなに変わらないし。
ただ、前半と後半の経済事情は全く異なる。消費増税、コロナ、レジ袋有料化、世界的インフレ、円安、インボイスなどで自由に使える金がどんどん減っていき、貯金を切り崩して生活するようになっている。
それなのに、自民党は悪政を続けていて、その自民を多くの国民が支持している。いくら、野党が無能でも、世間知らずでも、これだけ生活を苦しくしている自民を多くの国民が支持しているというのは理解不能だ。

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