見出し画像

ビクビクしながら発売したすっぱいビール

ビールについて

Fruited Sour Ale
ABV 5%
pH 3.18

原料:
みかん果汁(東京都東村山市産)
麦芽
オーツ麦
ホップ

ラベル:
高尾ビール(デザイン)


どんなビール?


昨年につづき、たっぷりのミカンを使ったすっぱいビール2回目の醸造です。梨でも毎年お世話になっている、東村山市にある「万年園」から分けてもらっているミカン。12月中旬に連絡をもらって取りに行き、翌日から搾りました。
今回から業務用スロージューサーを導入したので、昨年の苦労が嘘のようなスピーディな果汁搾り。約一日で搾り終えました。

ミカンの皮むきも手作業なので、皮むくのがとても早くなり、家庭でも役立っています。


出来上がったビールですが、昨年との違いは、すっぱさの元になっている乳酸のつくり方。
昨年は同じ八王子市の磯沼ミルクファームにお邪魔して、ヨーグルトを分けてもらって乳酸菌を用いた乳酸発酵を行いました。ケトルサワリングという手法です。
しかし今年はケトルサワリングせずに、発酵の際に乳酸をつくる能力がある酵母を用いました。通常使用するサッカロマイセス・セレビシエでなく、ラカンセア酵母です。

昨年あたりから酵母会社のカタログにも載るようになり、手軽により安全にビールに乳酸由来の酸をつけることが可能になりました。
フルーツのクエン酸等をあわせて、酸のレイヤーをつくることが好きです。

飲んだ人、怒らないかな?

ビールと言われて飲んでみたら、想像だにしない酸っぱい味がする。これは怒る人や戸惑う人もいるかもしれないな。
と思ったので、ラベルにも大きくスッパイ旨の注意書きを入れました。
「これはわざとすっぱい味にしているんですよ。悪くなっているわけではないですよ。」
売り場のPOPにも「すっぱいですよ!」と、まさに口をすっぱくして書いてます。

そのおかげか、昨年販売したサワーエールは心配とは裏腹に「意外と」受け入れられた印象でした。
特に山での反応は良かったようです。運動後に飲むにはサッパリとしてリフレッシュできるし、疲労回復にも多少の効果がありそうです。

ビールの幅広いスタイルを知る切っ掛けになってくれたら嬉しいので、きちんと事前の説明をしながら、色々なスタイルのビールを飲んでもらいたいと思ってつくっています。

〜〜

2019年から東京薬科大学との産学共同研究で野生酵母を用いたビール醸造を研究していますが、その過程でも樹木からラカンセアがみつかっていました。いつかそのラカンセアでも醸造してみたいと思います。

また、とある食品メーカーとの共同研究の話も具体化しそうなので、乳酸(菌)については今後も継続して研究していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?