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「大学講義2.0」コロナ時代の講義形式

こんにちは、押切孝雄です。

大学の講義が今年も始まります。私の教えている大学では、コロナウイルスの影響により、開始時期が例年より1ヶ月ずれて、5月のゴールデンウィーク明けとなりました。

緊急事態宣言により、大学生の大学構内への入構も制限されているという状況の中、オンラインでの講義がはじまります。

「オンライン講義」は主に2種類あります。「ライブ配信」と「オンデマンド配信」です。開始時間を決めてZoomなどを活用しておこなうのが「ライブ配信」です。

私の教えている大学ではライブ配信ではなくて、「オンデマンド方式」が推奨されています。オンデマンド方式では、教員があらかじめ講義動画を制作し、レジュメPDFとともにクラウドに公開します。それを学生が視聴するタイプのものです。

これまで大学の講義室で、ライブ型の講義が一番教育効果が高いと思っていたのですが、強制的にオンラインとなり、オンラインでできること、できないことを見極めています。

すると、オンラインの良さがいくつか見つかってきました。
たとえば、オンデマンド方式ですので、教員が講義映像をクラウド上に公開しておけば、学生はいつでも都合の良い時に見られます。理解できなかったところは何度も再生可能です。

また、再生スピードも調整可能ですので、学生によっては聞き取れる範囲で速めにすることで、短い時間で情報を効率的に吸収できます。

また、オンラインでクイズ形式の課題を設定することができます。あらかじめ正解を設定しておけば、自動的に採点されます。

すると、講義動画をみて、それを正しく理解していたのかどうかをすぐに確かめられます。数値で把握できるのですね。

ただ講義を聞くだけでなくて、すぐに理解クイズでアウトプットすることで、受講生は知識を頭に定着させやすくなります。

さらには、満員電車に押し込められて大学へ通学する必要もありません。

これは、学生、教員双方にとって良いことです。

オンライン講義のデメリットは、大学生によっては、自宅にWi-Fiの環境が無い人がいて、そういう場合には、回線が遅く、講義動画を快適には見られない危険性があるということです。

そこで、講義動画はある程度短めに作り、学生がワークをしたり、アウトプットする内容を多めに盛り込もうと、試行錯誤しながら作り込みをしているところです。

大学講義もこれまでとは全く異なる時代へと突入しており、「大学講義2.0」と言えるような状況です。

オンライン講義になりますが、組み合わせ次第では、これまでのリアルでの講義室ではできなかった講義に、アップグレードができるのではないかと思います。

大学での講義も10年目となりました。1年目は2011年で3.11の直後でした。区切りの10年目はオンライン講義へのドラスティックな変革となりました。大学教育も大きな受難のタイミングですが、あとから振り返ってみたら、「オンライン講義になって本当に良かった」と思えるような内容と仕組みを提供できたらと思います。

またしばらくしましたら、オンライン講義がはじまった「大学講義2.0」の現場から現状レポートをしてみたいと思います。

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