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僕の憧れ、惚れた監督 #3

 どうも、指導者2年生マンチェスター・ユナイテッドサポーター歴14年、モウリニスタ歴8年の油井です!

今日は定期更新日です。不定期更新日を土日にしてわかったんですが、だいぶ書くネタが思いつかなくなるもんですね笑。自分の首を絞めるとはまさにこのことなんでしょうか。今後は勢いに任せるだけでなく、まずは定期更新日に最高のパフォーマンスを発揮できるようにしていきたいです。そして、また愛読者の方からのリクエストをお待ちしております。

 本日は久しぶりにジョゼ・モウリーニョについてです。モウリーニョの凄いところはYouTubeなどに采配時などのパフォーマンスを動画にされているんですよね。選手のプレー集が作られているように、モウリーニョのパフォーマンス集があるんです。本当に凄い。

今日はモウリーニョの監督としての手腕を少しだけ深ぼってみたいと思います。もちろん凄いし、リスペクトしているモウリニスタとしての側面で書きつつ、少しだけ引いた目線でも書いてみたいと思います。

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 ジョゼ・モウリーニョがローマの監督に就任した。これはスパーズの監督を解任され、少し経った頃の出来事だった。今のサッカー界に求められる監督像は大きく2つあると考える。

1つはチームの現状を維持しつつ、選手育成に長けて高い収益を得て、クラブの価値を上げる監督

2つ目はチームに結果、タイトルをもたらしクラブの価値を上げる監督

両者に共通しているのはクラブの市場価値を上げることが求められるのだが、価値の上げ方にも大きく分ければ上記の2つが挙げられる。そして、ジョゼ・モウリーニョは圧倒的に後者側で結果を残し、クラブの価値を上げてきた。モウリーニョの率いるところが比較的ビッククラブが多いということもあるが、それ以上に短期的に成果を挙げられることができるのがモウリーニョのセールスポイントだろう。

 基本的に2年間はCL圏内に導き、カップ戦タイトルを獲得。2年目にはリーグタイトルを狙えるだけの穴のないチームに仕上げてリーグ優勝をする。というのがジョゼ・モウリーニョだ。成果を上げるためのコストは多くかかるが、結果を残すので需要が高い。ではどのように結果を残しているのかというと、

・どのような相手でも対応可能な布陣に仕上げるだけの補強

・相手を緻密に分析し、強みを消し弱みを突くスタイル

・ハードマネジメント

が上げられる。

モウリーニョのチームは守備的であるという声をよく聞くが、何度も言うように言うほど守備的では無い。比較対象がジョゼップ・グアルディオラやハンジ・フリックであれば守備的に見えてしまうだろうが、その比較対象を外せば、守備的であるというのは到底言い難い。

モウリーニョのサッカーは非常にオーソドックスで、センターラインを非常に重要視する。

GKには各国代表クラスのGKを置く。モウリーニョのチームで求められるキーパー像はゴールを守る能力に非常に秀でている選手を置き、CBは1人は必ず190超えの高身長で空中戦に強い選手を配置する。身体能力が高く、対人戦の勝率の高いCB。いわゆる守れる選手を配置する。余談だがチェルシーやインテル、レアル・マドリードなどではキャプテンの多くはCBやGKなど後ろの選手がやっていた。事実モウリーニョのチームのキャプテンは基本ファイターが務めているのも考慮すると、後ろの選手は能力が高く且つ戦える選手を揃える。中盤はマティッチやケディラなど相手の攻撃の芽を摘み、ボール奪取能力に長けた選手とエジルやセスクなどゲームメイクに優れた才能を持ち合わす選手。必ずピッチにはこのタイプの選手が共存していた。11-12シーズンではクリスティアーノ・ロナウドが驚異の46ゴールを挙げたが(ちなみに得点王はメッシで50)エジルは19アシストを記録するなど攻撃の起点として機能している。最前線にはディエゴ・コスタやサミュエル・エトー、ディディエ・ドログバなど個人でも得点を奪えるストライカーを置く。また上位相手などカウンターの精度を高めるためにポストプレーヤーとスピードタイプの共存がなされていた。サイドのウィングポジションにはスピードが持ち味の選手を配置し、フルバックにはそれぞれのチームに対応した選手を配置。チェルシー第二次政権時はアスピリクエタとイヴァノヴィッチといったような1vs1の守備能力に長けた選手、マンチェスター・ユナイテッド時代には攻撃の厚みを加えるためにアントニオ・バレンシア、アシュリー・ヤングといったウィンガータイプを配置させた。そのチームの今ある弱点、穴を埋める補強を2年間行う。

 この補強をしたモウリーニョのチームはまず負けない。穴を埋め、弱点のないチームはリーグで結果を残す。下位チームには守備を固めてくる相手に対して中盤のゲームメイクで穴を突き、前線の個の質で相手の守備陣を崩壊させる。実際モウリーニョのチームは1点決まったら、大量得点をする傾向にある。逆に言えばゴールを奪えないと、実は結構辛いのだが。とはいえ、格下のチームに取りこぼすこともモウリーニョの補強を100%敢行出来たチームは早々ない。上位相手には逆に守備から入るケースが多く、代表クラスのGKを中心に、世界最高歩の守備陣が相手の攻撃に耐える。耐えて、耐えてボールを奪うと、一気にカウンターで仕留める。また、モウリーニョは負けないために、

「パークザバス」

という戦術を用いることもある。つまりは、自陣のゴール前に人海戦術のごとく、多くの選手を配置させ守り切るという戦術であるが、こちらに舵を切ったら、まず得点を奪うことは極めて困難。シュートまで持ち込めても、DFがコースを限定するため、GKは処理が比較的難しくない。順位の状況、背景シュチュエーションによって勝点1でも良いという割り切りができる。勝ち方を知っている。


 マネジメント面では非常に奮起させる。彼は非常にハードマネジメントを行い、選手に危機感、反骨精神を埋め込ませる。公の場で選手に対して批判することも多々ある。ただ批判するのではなく、充分に才能を認めてその上で努力する必要があるという発言をすることで、選手に危機感を芽生えさせ、パフォーマンス向上を狙う。

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 このようにしてモウリーニョは勝つチームを作り上げる。ただし、上の3つを継続するのは非常に難しい。何故なら選手は良くも悪くも生物である。つまり置かれた状況下によって必ずしも選手内部から不満などが湧いてくる。特にビッククラブではあるが、自分たちのスタイルを貫くと言うより、相手によって戦い方を変える(これがジョゼのスタイルでもある)方針、そしてハードマネジメントを繰り返されることによりチーム内に亀裂が生まれ、結果が出ないにつれて不満分子が徐々に増大。3年目のジンクスに悩まさられるのである。


 今回ローマでは長期的な視野も見据えている中で、どのような戦術を用い、チームマネジメントもどのように変化するのか。野心あふれるモウリーニョの冒険に今後も注目していこう。

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 最後まで読んでくださり、ありがとうございました!今回はモウリーニョの3年間サイクルについて執筆しました。どうやらこちらの記事がマガジンに掲載されているので、非常にありがたいです。モウリーニョ考察をしつつ、なんか自分に生かせることもあるかなっていう目線でも書いています。ハードマネジメントはしてみよっかなとか笑。はい、多分冗談です。またいつか気が向いたら#4も書きますので、その時にまた会いましょう!

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