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映画のこと

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#映画レビュー

孤独を味方につける大切さ──『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が教えてくれたこと

『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督が、シアーシャ・ローナンと再びタッグを組み、ルイーザ・メイ・オルコット原作の『若草物語』を映画化すると聞いた時からずっと楽しみにしていた。しかも共演は、『ミッドサマー 』のフローレンス・ピューをはじめ、『レディ・バード』で脚光を浴び『君の名前で僕を呼んで』で大ブレイクを果たしたティモシー・シャラメ、さらにエマ・ワトソンにローラ・ダーン、メリル・ストリープ、クリス・クーパーらが脇を固めるとあっては、面白くならないはずがないと。コロナによ

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リドリー・スコット監督作『悪の法則』が描く、こちらの理屈が通用しない世界

めちゃくちゃ好きなんだけど、あまり万人にはオススメ出来ない映画ってある。 例えばスティーヴ・マックイーン監督作『SHAME -シェイム-』や、トム・フォード監督の『シングルマン』、ソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』とか。以前紹介したトレイ・エドワード・シュルツの『イット・カムズ・アット・ナイト』なんかもそうね。 共通しているのは、「どんな映画?」と尋ねられた時に答えに窮してしまう作品であること。ストーリーもあってないようなものだったり、あったとしても上手く説明

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生涯ベスト級の映画『サラの鍵』を、コロナ禍で観て思ったこと

喜怒哀楽のうちの、どの感情にいるのか自分でも分からないうちに涙が止まらなくなるラスト・シーンが忘れられなくて10年ぶりに見直してみたのだが、もう中盤以降はずっと泣きっぱなしだった。劇場で観たとき、しばらく立ち上がれなくなった衝撃もそのまま。今もまだずっと余韻が続いている。 日本では2011年に公開されたフランス映画『サラの鍵』。確か当時は新宿武蔵野館で観たのかな。そんなに大きな規模ではなかったし、ほとんど話題にはならなかったのだけど、観た人の間ではかなり評価が高かったと思う

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『タリーと私の秘密の時間』が教えてくれる、「信頼」と「関心」の大切さ

ルーファス・ウェインライトの「Supermayer Lost in Tiergarten」に乗せて、授乳、オムツ替え、夜泣き、寝かしつけ……の無限ループを観せるシーンはそこらのホラーよりもゾッとした。徐々に短くしていくカットの連続によって、シャーリーズ・セロン演じるマーロの精神状態がどんどん追い込まれていく様子を見事に描いている。 『JUNO/ジュノ』で、我らがエレン・ペイジを世に送り出したジェイソン・ライトマンが、『ヤング≒アダルト』以来再びシャーリーズ・セロンとタッグを

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『WAVES/ウェイブス』の公開が決まらないので『イット・カムズ・アット・ナイト』を観ました。

レディオヘッドやフランク・オーシャン、テーム・インパラなどの楽曲をふんだんに使用し「プレイリスト・ムーヴィー」などと称され話題になっていた映画『WAVES/ウェイブス』。本来は4月に公開予定だったのですが、コロナ騒動で延期に。実は監督のトレイ・エドワード・シュルツにもSkypeでのオンライン取材を行なっているのですが、それもまだ掲載日未定の状態という。う〜ん、もどかしい……。

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