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94年最大の衝撃「氷の国の妖精ビョーク」

この頃、『BEAT UK』でもFMラジオでもとにかく流れてきたのが Doopの『Doop』。全英1位を獲得したこの曲はいたるところで流れていた。



僕も何となく欲しくなったのだが、Doopのアルバムを買うほどではなく、替わりに購入したのが『100% Dance 4』というコンピレーションアルバム。1曲目にDoopが収録されていたこのアルバムを適当に聞いていたところ、1曲の不思議な曲に興味が惹かれた。



聞いてると不安になってくるボーカルとメロディーライン。不安なんだけど、耳を離せなくなる魅力があった。「Björk」と書かれたアーティスト名を最初何て読んだらいいのかわからなかったが、そのうち「Björk」は「ビョーク」と読むのだと知った。

『Violently Happy』のMVは『BEAT UK』などでも流れたが、映像も怪しげだし、黒髪をかき乱して歌うこの女性がどこの国の人なのかもわからない。インターネットの無い時代、ショップのポップや雑誌、テレビなどの情報を繋ぎあわせて「ビョーク」の情報を追った結果、アイスランド出身のアーティストだということまでは把握できた。

とりあえず『Violently Happy』が収録されているビョークのアルバム『Debut』を購入し、他の曲も聞いてみたが、全体的にやっぱり変(良い意味で)。僕の中の音楽の常識みたいのを壊す感じがした。



『Debut』の1曲目に収録されている『Human Behaviour』も衝撃的だった。テクノとかハウスとかそういうジャンル分けがもはや無意味な、「ジャンルはビョーク」としか言いようがないオリジナリティと存在感。MVも意味不明で最高である。

MVの意味不明さで言えば『Debut』の次作『Post』の代表曲である『Army of Me』も相当なもの。全く理解できない。

『ホモジェニック』で曲調がガラっと変わって戸惑った。これまでの「明るい不安」から「重い不安」になったとでもいいますか。荘厳とも言えるかもしれない。

『ホモジェニック』の代表曲『Bachelorette』をテレビ?で歌うビョーク。音源と全く同じなのがすごい。この動画のコメントに「Bjork is a not a music artist, she is a force of nature. 」あって、まさにそれだよなーと思うわけです。ビョークは妖精なのかもしれない。

この後、映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に主演し、カンヌで最優秀女優賞を獲得(映画自体もパルムドールを獲得)するなど活躍。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はめちゃめちゃ暗い話で、僕は見てない(見れない)。


2000年代以降の様子とか見てると、やっぱりビョークは妖精なんだと思う。この世界は生き辛いんだと思う。



街歩きで生計をたてて生きていきたい...