この展覧会は、暮らしの中にこそある美について定義、運動をした「民藝運動」を起こした中心人物「柳宗悦」らの活動を年代別にし、民藝運動の歴史を辿る展覧会だった。
柳宗悦が収集を始めた頃、彼のコレクションは絵画や彫刻などの芸術品も含まれていた事が印象的だった。彫刻家の「オーギュスト・ロダン」や絵画の「ウィリアム・ブレイク」「 ポール・セザンヌ 」と言った世界的にも有名な作家の作品も所有していたようだ。
少しずつ柳宗悦らの民藝の考え方に賛同してくれる仲間が増え、民藝を彼らが定義する上でのリサーチや資料がとても興味深かった。例えば、手作業でスピーディーに大量に作れる事という事を主張する為の映像資料では、無心で素早く陶器に絵付けする職人さんの様子が記録されていた。その様子は説得力しか無い映像だった。
また、彼らがコレクションした民藝品の展覧会がとても面白そうだった。
例えば大きな日本地図の各地から紐を垂らして、どこにどんな陶器があるのか紹介している様子の記録がとてもわかり易く親近感を感じた。
今回の展覧会では柳宗悦らがどのようにして工夫し、「民藝運動」を勧めていったのかがわかる展覧会だった。何より運動家の皆さんが楽しそうな様子が印象的だった。
東京国立近代美術館
柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年
2021/10/26-2022/2/13(会期終了)
10:00-17:00(金・土曜日は20:00まで)
休館日:月曜日 年末年始(12/28-1/1)、1/11
観覧料
一般 ¥1800-
大学生 ¥1200-
高校生 ¥700-
中学生以下無料