2023年秋季北信越大会 展望

 皆さん、こんにちは!
 今日から、秋季地区大会の展望をやっていこうと思います!まずは、開幕が明日に迫った北信越大会から展望していきます!

 今年は福井県開催ということで福井から4校、その他の県は3校ずつ出場します。北信越の一般選考枠は2枠ですので、慣例として、決勝に進んだ2校が選抜切符を掴む流れになるかと思います。では、まずは、今年の出場校から見ていきましょう!

出場校紹介

 今年の出場校は、こちらの写真の通りです。

今年の秋季北信越大会出場校です

 全体的に見て、各県常連校が揃った印象はありますが、松商学園や敦賀気比などの有力校が3位に入ったため、組み合わせでも、初戦から好カードが続出し、混沌とした展開となるのではないかと予想します。では、各県ごとに、チームの戦力を見ていきましょう!

新潟
優勝 日本文理
準優勝 帝京長岡
3位 関根学園

 新潟大会と言えば、決勝での乱打戦が全国ニュースでも話題になりましたね。その決勝戦に代表されるように、今年の新潟の代表は、打力に自信のあるチームが揃っています。
 優勝した日本文理は、今年の夏、新潟大会の準々決勝で敗れた悔しさを胸に、新潟を制しました。決勝では24得点を奪うなど、打線の力強さが印象に残りました。昨年からの主力メンバー、宇野、名古屋、本田らで繋ぐ野球を持ち味としています。夏までの大黒柱だった高橋が抜けた投手陣は、複数の投手でかわしていきますが、決勝で15失点しただけに、立て直しが鍵になりそうです。
 帝京長岡は、今春、県大会を制したものの、夏は2回戦で姿を消し、新チームはその悔しさからスタートをしました。こちらも、打線には自信を持ちますが、その中心は1年生の大前。打率4割4分4厘とリードオフマンとして十二分の働きを見せます。投手陣の中心は、伸びのあるすとれーをが武器のエース・茨木。新潟大会準決勝では7回を無失点完封。兄の秀俊さんはプロ野球の阪神に所属。兄に続く活躍を誓っています。
 準決勝で日本文理に延長の末に敗れた関根学園も、夏からの主力が多く残り、期待ができるチームです。主将の山川は、小柄ながらシャープでコンパクトな打撃で打率4割以上を誇り、長打力のある中軸へとつなげる役割を担います。チーム防御率1点台と、守りも堅く、本格派右腕の佐伯、先発で試合を作ることの多い鈴木の継投がハマれば、上位進出も狙えます。

長野
優勝 上田西
準優勝 東京都市大塩尻
3位 松商学園

 実力校3校が揃った、今秋の長野。松商学園が3位に控えていることもかなり不気味に感じます。
 今夏、甲子園出場までこぎつけ、開幕戦でもベスト4となった土浦日大に接戦を演じた上田西。飛びぬけた選手は居ませんが、結束力の高さで長野大会を制しました。1年生で4番を打つ片平は、準決勝と決勝で計5安打を放ち、チャンスでの強さが光ります。同じく1年生1番の清水も決勝で復調傾向にあり、1年生の活躍で打線に火をつけられるかがカギになりそうです。
 準優勝の東京都市大塩尻は、守りからリズムを作る野球を身上とし、6人居る投手陣の継投を持ち味としています。主戦の城倉に加え、ピンチでの強さが光る高橋など、役割も明確化されている印象です。打線は、準決勝で勝ち越しスクイズを決めるなど、小技も有効的に使ってくるなど、しぶとさがあります。
 松商学園は、2回戦で佐久長聖から11得点を奪ってコールドで制すなど、強力打線を持ち味としています。中軸に座る漆戸の勝負強さが光り、上位打線でチャンスを作って回したいところです。3位校ではありますが、侮れない存在と言えるでしょう。

富山
優勝 高岡商
準優勝 富山北部
3位 高岡第一

 ここ最近、秋季北信越大会では、勝ちきれない戦いが続いている富山県勢。実力校の高岡商、高岡第一に加えて、近年力をつけている富山北部が出場します。
 今夏、富山大会で初戦敗退となり、甲子園の連続出場が途切れた高岡商。主将の鞍本を中心にまとまりのあるチームに仕上がっている。スクイズなど機動力も駆使しながら、得点を重ねていきます。エースの三上は最速135キロの力強い直球が持ち味の左腕で、決勝でも12奪三振で完投するなど北信越大会に向けて登り調子を見せています。2017年以来の選抜甲子園出場を狙います。
 水橋との連合チームで出場した時以来の3年ぶりの北信越大会出場を決めた富山北部。今夏も富山大会で準優勝と着実に力をつけてきているチームです。準決勝では、高岡第一相手に初回から4得点を奪うなど、1番の瀬戸を中心に打ち出すと止まらない打線が持ち味。こちらもエース左腕の福山に安定感があり、どっしりとした体格から、力強い直球を投げ込みます。
 3位で北信越大会出場を果たした高岡第一は、強力打線に注目が集まります。3番田中祐、4番田中優の、「田中コンビ」の活躍で、出場がかかった3位決定戦では、10得点。エースのサイドスロー右腕・大門にも安定感があり、投打が噛み合えば、上位進出も十分に狙えます。

石川
優勝 星稜
準優勝 日本航空石川
3位 小松大谷

 今シーズンの石川も、星稜と日本航空石川の強さが盤石だなぁという印象を受けます。
 優勝した星稜は、投手力に目を引くものがありました。まずは、今年の夏の甲子園でも登板した2年生左腕の佐宗。この秋からはエースナンバーを背負っていますが、石川大会19イニングを投げて自責点は4。三振もイニング数を上回る21個奪い、持ち前のコーナーを突く投球に、ストレートの球威も増しています。そして注目は1年生右腕の道本。石川・星稜中時代には、エースで4番として活躍するなど、今後の星稜を背負っていく存在になりそうです。
 準優勝の日本航空石川も、安定した戦いぶりを見せ、決勝でもライバル・星稜相手に接戦を演じるなど、総合力の高さが目を光りました。5試合で、32得点、本塁打3本と長打力が光った打撃陣は、5割の打率をマークした河田、早川など背番号が2ケタの選手の活躍が目立ち、層の厚さを感じさせます。投手陣では、5試合中4試合に先発した1年生左腕の猶明(ゆうめい)が中心です。
 3位の小松大谷も、準決勝で日本航空石川に惜敗したものの、ここ近年では、2強に肉薄している有力校の1つです。投手陣ではエースの竹本と背番号3の西川との継投で勝ち上がってきました。球威で抑え込める竹本と、打たせて取る西川の2枚看板が機能できるかがポイントです。打線も森田や山崎など打率4割を超える打者が控え、将来性も注目を集める1年生のショックリーにも期待です。

福井
優勝 北陸
準優勝 福井商
3位 敦賀気比
4位 敦賀

 今年は、北信越大会の開催地となる福井。昨年、ベスト4に進出した3校が、今年も勝ち進み出場を決めました。今年も期待がかかります。
 今年、甲子園に春夏連続出場を果たした、前年優勝の北陸は、34年ぶりに秋の福井大会を制して北信越大会に臨みます。甲子園経験者が多く残っており、特にエース竹田海、捕手の小矢のバッテリーは経験値も高く、安定感が抜群。控え投手にもタイプが異なる投手が控え、守りからリズムを作ります。打線も水野、小矢ら、甲子園経験者を中心にしぶとさがあります。
 昨秋、今夏とあと一歩のところで甲子園出場を逃している福井商。今年のチームは準々決勝でサヨナラ勝ちで北信越大会出場を決めるなど「炎の福井商」らしい粘り強さが持ち味。長打力のある松宮に走者の居る状態で回したいところです。投手陣はエースナンバーを背負う前川清を中心に継投で勝ち上がってきました。久々の甲子園出場なるでしょうか。
 今夏終了後、一旦退任を表明した東監督が再び指揮を執ることとなり、3位で北信越大会出場を決めた敦賀気比。敦賀気比らしい勝負強い打撃は今年も健在です。投手陣の中心は、今春の選抜甲子園でも、大阪桐蔭相手に力投を見せた、技巧派左腕の竹下が中心。4年連続の選抜甲子園出場がかかります。
 久々に北信越大会出場を決めた敦賀は、共に打たせて取るピッチングが持ち味の長谷川、須藤の左右の投手2枚看板が中心。守りからリズムを作り勝ち上がってきました。長谷川は打ってもミート力の高い巧打者。まずは、1勝して波に乗りたいところです。

組み合わせ

 では、組み合わせから、果たしてどのチームが勝ちあがるのか、展望していきましょう。組み合わせは下の写真の通りです。


今年の秋季北信越大会の組み合わせです

 こうして見ると、初戦から敦賀気比-上田西、松商学園-星稜など、
有力校が3位になったことにより、初戦から注目カードも組まれています。
 組み合わせで見た上での予想は、
 優勝 星稜
 準優勝 帝京長岡
 ベスト4 日本航空石川
 ベスト4 北陸
 と予想します。
 星稜は、佐宗、道本の2枚看板の安定感で勝ち上がる可能性が高いと見ています。帝京長岡をあえて準優勝とした理由は、打線の良さと勢い、そしてエース茨木くんを中心とした投手力も含めて、総合力が高いと考えます。星稜に石川大会で肉薄した日本航空石川、2連覇を目指す北陸など、有力校の実力はほぼ横一線かなと感じます。個人的注目は富山北部です。エース福山を中心にバランスが良く、21世紀枠の選出も含めて、大事な北信越大会での戦いになりそうです。
 明日から始まる北信越大会は、22日に決勝が行われる予定です。

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