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スポーツ組織論①

はじめに(WEリーグのニュースをみて)

WEリーグの2代目チェアに高田春奈さんが就任した。V・ファーレン長崎でお世話になった高田明さん(ジャパネットたかた創業者)の娘さんなので、ここでは(勝手に親しみを込めて)春奈さんと呼ばせていただく。

春奈さんはジャパネット体制となったV・ファーレン長崎で、高田明さんの次に2代目社長となった。私の知る限りではもともとスポーツに(仕事としては)あまり興味がなかった方なのだが、さまざまな事情であれよあれよという間にスポーツビジネスの世界で名をあげ、有名になっていくさまは感慨深いものがある。そもそも本人の頭脳が明晰であること、家業を含めたの家の力、適応力、思いを言葉にする力と発信力、女性リーダーが求められている社会情勢。まずベースとしてこれらがあることは間違いない。

春奈さんがスポーツ組織のトップを面白い仕事だと思ったこと自体、私はこれが「スポーツの力」だと思っている。サッカークラブの社長であれば強い弱いの競技面だけではなく、ホームタウンとの関わり方や地域でのスポンサー活動など競技以外の面でも様々な要素や影響力があることに、V・ファーレン長崎の業務に関わる間に気づいたのではないだろうか。そしてご自身が勉強されている教育分野や地域の活性化、ひいては社会づくりにまでも領域を広げていくことができる未知で可能性のある分野だとも。

スポーツの組織とは

WEリーグのチェアが春奈さんになった。全体的に期待する声が多いのは嬉しいが、一方で「待てよ」とも思う。私はWEリーグに所属する「ちふれASエルフェン埼玉」に過去数年間、チームを運営していたNPO法人(当時)の理事として関わったことがあり、そのつながりでなでしこリーグ(当時)の会議にも何度か出たことがある。女子サッカーの内幕を多少は知っている。

期待と不安。見かけと現実。まずは多くの方にスポーツ組織についての理解を深めていただくことが、全体の真実や今行われていることへのよりよい理解や提案につながると信じている。そのために今回筆をとった次第である。

一般の人にはわかりにくいかもしれないが、スポーツにはいくつかの種類の組織がある。どのような組織があるのかを列挙し、その後それぞれ組織の特徴や役割を記したいと思う。

まず、スポーツの競技ごとに協会連盟National Federation、略してNFという)がある。例えばサッカーなら日本サッカー協会(JFA)、陸上なら日本陸上競技連盟(JAAF)だ。協会とか連盟とか、全国の競技者の総本山として役割はおおよそ同じなのだから名称も一本化してくれるといいのにな、と個人的には思う。

次にリーグがある。サッカーならJリーグ、バスケットボールならBリーグ、卓球ならTリーグだ。これらのリーグは法人形態でいうとほとんどが一般社団法人である。一般社団法人なので立て付けとしては利益集団ではない。ただリーグとしてのスポンサー活動やチケット販売、グッズ販売などで売上や利益を追求する場面があるため、それらが増えてくるとそのリーグに付随する形でマーケティング会社を作るケースも出てきている。例えばBリーグマーケティング、Tリーグマーケティングという形だ。これらは法人形態としては利益追求がしやすい株式会社となる。

最後にリーグを構成するチームだ。完全なプロリーグであればチームを運営する組織を株式会社としているところが多い。(Jリーグのようにそれを参入条件としているリーグもある)ただしチームでも実業団リーグに所属しているチームであれば、親会社の一部門でチーム運営をしているチームがあり、また同じリーグ内でもプロチーム(株式会社による運営)と実業団チーム(親会社の一部門による運営)が混在しているようなリーグも存在する。これらはリーグ全体の性格やデザインと密接に関わっている。

まとめ

スポーツの組織についてまとめると、

  1. 競技全体を統括する協会や連盟 <公益財団法人>

  2. 協会や連盟から派生したリーグ <一般社団法人>

  3. リーグに付随するマーケティング会社 <株式会社>

  4. リーグを構成するチーム <株式会社が多い>

となる。

見てていただいてわかるように、公益財団法人、一般社団法人、株式会社とそれぞれ法人の形態も違っている。これらの役割やつながりを理解しなければスポーツ界の本当の理解には繋がらないのだ。

次からはそれぞれの組織の特徴と役割、求められる人材などについて綴っていきたいと思う。リーグとチームの役割は違う。それに伴い必要な人材のスキルも当然違うのだ。

ここまで読んでいただきありがとうございました。(次もぜひ!スポーツ組織論②です)

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