見出し画像

誰もが狙われている。撃つのは誰だ?

【VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─】
木村宙さんの作品
タイトルは、長い銃の名前だったように思う(なぜか写真撮り忘れ)。

この作品を見るのは、実は二度目。
最初に見たのは、ART TRACE GALLERYで開催されたグループ展
「闘争か逃走 Fight / Flight」展だ。

画像1


その時は、3×5マスの中に“赤いTシャツ”が一枚壁にかかるのみだった。
14のマスには黒い人型のようなものが掛けてあり、
そこに掛かっていた赤いTシャツを持ち帰った人の名前が
直筆で記されていた。

画像2


最後の一枚を手にするには、躊躇いがあった。
作品が成立しなくなるのではと思ったからだ。
今なら、手に取るけどね。
写真には写っていないのだが、銃も置いてあったのではないか。
そんな朧気な記憶がある。

画像3



この展示に行ってみたのは、
展示タイトルがかっこよかったから。
誰一人として拝見したことのある作家さんはいなかったし
次にどこにいこうかと思ってふらっと寄ってみた感じだ。
このタイトルは
生理学者ウォルター・B・キャノンの言葉から取ったらしい。
<闘争あるいは逃走するための反応 fight-or-flight response>とは
「生物が恐怖や緊急事態に直面した時、自身に闘うか逃げるかを差し迫る身体反応」だと。

木村さんは不在だったが、コヤマイッセーさんが自分の作品以外にも
話をしてくれたことをよく覚えている。

木村さんは2004年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業した
アーティストだが、以前、自衛隊に身をおいていたことがある。
そこから人を撃つこと、人が標的になることがテーマとして浮かび上がり
この作品に繋がっている。

今回のVOCA展では、
Tシャツだけでなくジャケットやつなぎ、ワンピースといった
古着などにも標的が施され、
あらゆる人が何かのターゲットになりうることが示唆されている。
撃つのは誰だ?

画像4



追伸
今回も“赤いTシャツ”掛かっていれば、もらえます。

【VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─】
上野の森美術館
3月12日(木)〜3月30日(月)
*開館情報を必ず確認してください。


#art #voca #voca2020 #kimura_hiroshi #木村宙 #上野の森美術館 #ueno_royal_museum

サポートしていただけたら、小品を購入することで若手作家をサポートしていきたいと思います。よろしくお願いします。