それぞれ孤独、という多様性。
干場月花「多様性というかたち。」
RISE GALLERYの特徴ともなっている
「Creativity continues」シリーズ。
毎年、二人の作家が個展、二人展、グループ展と
一年弱にわたって制作を続ける展示だ。
作家にとっては、それなりにハードな制作期間となる。
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この「Creativity continues」シリーズに参加した作家の
その後の変化や成長に注目するシリーズとして
「Creativity still continues」というシリーズがある。
その第10回目が、今回の干場月花さんの展示「多様性というかたち。」だ。
干場さんは兵庫県生まれ。
日本大学芸術学部美術学科絵画コースを卒業している。
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干場さんはとても好きな作家さんで、一度お話を伺った。
今回は、展示期間を通して在廊されないということだったが、
早速行ってきた。
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干場さんの画といえば、私の中では、
孤独、不安、欠落といった人が内面にもつ要素を、
大きな色面に対峙するように人物を描くことで、
ある種の抽象性を纏いながら、浮き彫りにし
鑑賞者に迫ってくるように描いていると感じていた。
今回はそれががらりと変わった(ように私には感じられた)。
具象性が上がったというか、風景が浮かび上がってきていた。
複数の人物全体にフォーカスがあたっている作品があったり、
人物の輪郭線がくっきりとした印象の画もある、
また、その輪郭線の周囲に
ベースとなって敷かれた色が残されているものも見受けられた。
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多様な人々の中に潜む共通の感情を描いていた作品たちから
その感情にさえ、さまざまなカタチがあるという違いに目を向けて
拡散していっているのかもしれない。
展示タイトルが示すように。
ショールームと呼ばれる入り口左手のスペースでも
干場さんの作品が展示されている。
それは、彼女がナミビアに旅をしたときに撮ってきた写真を元に
描かれているという。
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その作品群と、おそらく国内の情景から描き出された作品たちとの
対比としてみるということもできるのかもしれないと思った。
■会期
2020年9月5日(土)〜9月25日(金)
12:00〜19:00
月・火曜休廊
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