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話しやすい人。

「こういう人が話しやすい」って感覚、絶対あると思う。

大昔のロバートのコントで、秋山が馬場に対して「あ〜、話やす〜い」と、もたれかかりながら言っているものがあったけど、今となってはその気持ちがよくわかる。


なんでも話せる友達。
そんなものはいない。
「この子にはこの話はできるけど、そっちの話はできないな」とか、
「この人とはこの話をしたくねーな」とか、
差別しているわけではないが、人を選んで話題を変えることは必ずあると思う。
仕事の話は職場の人間としよう、みたいな感じだ。
漫画の話は漫画好きの友達と、あ、でもやっぱりこの漫画の話はこの子じゃなくてあの子としよう、みたいな。
万人に同じ話はしない。当たり前のことかもしれないな。


話す内容だけでなく、話すときの心持ちも違う。
私は基本的に天邪鬼で、他人に対して一歩引いている節がある。
誰かと話すときは、基本強がる。
少し突き放したような、どこか他人事のような言い方をしてしまう。
小学生の頃に担任に言われた、
「あんたは正直だけど素直じゃないね!」
という言葉は非常にしっくりくる。
(でも先生、私はその言葉に傷ついたよ。)
人間関係リセット癖もあり、友達は年々減る一方だ。悲しいね。

そんな自分だが、長年付き合ってくれている友達はいる。
彼女とは高校生の頃に出会った。
彼女もまた、どこか人と違う雰囲気があり、人を寄せ付けないところがあった。
超がつくほどの生真面目で、悪いことは許さない。
その放たれる正義の気迫は、他者を圧倒するのであった。
でも、人の役に立つのが大好きで、なんなら、「人の役に立っていないと生きている意味がない」とか言っちゃうような人物でもある。
私はそんなお言葉に甘え、ガンガンに彼女に頼りまくっている。旅行の手配からお店選び、その他なんやかんや、もはや思い出せないけど数数多の事象で彼女に頼りまくっていたはずだ。だって頼ると知らぬ間に全部決まってて楽なんだもの。
そして彼女も不思議なことに、そんなおんぶに抱っこの私を見捨てずにいてくれている。ありがたいことです。


なぜ私は彼女とここまで長くやってこれたのだろうか。
それはきっと、彼女が私の話を真剣に聞いてくれるからだろう。
普通、他人の話なんて話半分で聞き流すこともあるじゃないですか。興味のない分野なんてそれこそ顕著に。
でも、彼女は、私がある出来事について1言えば、それを30くらいにして返してくるのです。

例えば私が
「最近鳥取に行ってみたいんだよね」
とポツリと言えば、
「鳥取かぁ、なるほどね、実は私も鳥取で行ってみたいところがあって、白壁土蔵群って知ってる?蔵造りの街並みでね、そこに広がる景色がうんぬんかんぬん…(10分経過)…じゃあ今度旅行計画立てるね!しおり作っとくわ!」
みたいな感じで、あっという間に話題が広がり、いつの間にやら鳥取旅行が敢行されるのです。すごすぎる。

そして、しょうもない悩みも真剣に聞いてくれる。
私のことですらない他者の悩みも聞いてくれる。
めちゃくちゃ長文のアドバイスが返ってくる。
そしてそれが押し付けがましくない。
その時の悩んでいる私の気持ちに対しても一言フォローをしてくれる。
「そっか、大変だったね」程度のものではあるが、それが案外嬉しいもので、逆に自分が相談を受けた際にその一言をちゃんと言えているかと言われると「う〜ん…?」と考え込んでしまう。
こんな簡単な労いの一言が言えない自分がいるのも事実だ。
こういうことをさらっと言える人間に私もなりたい。


だいぶ脱線したが、「話しやすい人」の話題に戻ろう。

私にとっての話しやすい人は、とにかく「ちゃんとしている人」で、「相手の気持ちにフォローを入れてくれる人」で、「途中で無理やり自分の話にすり替えない人」である。誰だって、そんな人がいたら話しやすい気もするけど。
あと、話を聞いている裏で、心の中でバカにしてなさそうな人かな。
「こいつ何言ってんねん、アホちゃうか?」と思っているのって、存外、相手に伝わるからな。実際私はよくバレるし(思ってるのが悪い)。
バカにしてくる人には、込み入った話や自分の弱みを話すことはできない。弱さを見せられるという点も大事だと思う。
そもそも、話しやすい人って、自分からアプローチして交流することになった人が多い気がする。
「この人と仲良くなりたい!」と直感で思った人とは、ずっと仲良くできている。潜在意識で好きだと感じているからだろう。
逆に、話しやすい人の話は真剣に聞くことができる。お互いにお互いのことを真剣に理解しようとしているから、話も聞けるし話もできるのだろう。

それから、人が本当に嫌だと思っていることに対して、そんなことないですよ的なことを言わない人が良い。
私は豪雪地帯に住んでいるのだけど、そのせいかメチャクチャに雪が嫌いだ。例年、12月に降った雪が4月まで溶けなくて、3ヶ月近く道路がスケートリンクになる。見える風景はなぜかモノクロ、色を失われし冬の世界…。そしてあまりの寒さに道端でうずくまってしまう。雪かきは辛いし、雪をかかないと車は発進できないし、とにかく大変。
そんな話を東京出身東京在住の方にしたところ、
「いいですねぇ、風情があって」
と、返された。
「いや、最悪なんですって」
と言っても、自分はそういう経験をしたことがないから羨ましいと宣われた。
激おこです。
「そうか、そんな苦労があるんですね雪国って!うっわ最悪!うわ〜、関東平野に生まれてよかった〜!私勝ち組!!」って言ってもらった方が正直嬉しい。そういう素直さって嫌いじゃない。
大変だったことを話す時って、大抵「大変だったね〜」と共感してほしいか、「私の方が大変マウント」を取りたい時じゃないですか。そこを汲んだ反応をしてくれる人が良いです。なんか「話しやすい人」じゃなくて、「対応がまずい人」の話になってしまった。


ぐだぐだ書いてしまったが、とにかく、話しやすい人は自分にとって良い影響を与えてくれる人でもあるので、大事にしていきたいなと思った次第。
大人だからこそ、自分を大切にしてくれる人を見つけて、自分もその人のことを大切にしていきたいと思う。相思相愛、大事!

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