見出し画像

『Nice Painting ! vol.1』覚え書き その3

全曲、作詞・作曲・編曲・演奏・歌・録音 by 高野寛

6. 7600のエチュード(1998)
タイトルはPOWER MAC7600を買ったばかりで慣らし運転をしていたから。コンソールをYAMAHA O2Rに替え、AKAI S3000も買ったばかりで試行錯誤の時。65年のムスタングをDRAWMER1960に直結してライン録りしたらいい感じで録れて嬉しかったのを覚えてる。まだADATとMACをシンクさせてた時代。ワードクロックの同期やら、テープの管理やら、いまから考えると信じられないほど面倒くさいことばかりの、デジタル宅録勃興期、辛苦の時代。

7.停留所まで(1999)
で、一度原点に戻ろうと4トラックのカセットMTRを買い直し、クリックも使わず、全部生楽器で20歳の頃のように録っていた時代。赤いハミングバードを買って弾き語りのツアーを始めた頃。(上の写真)この後、初期DAW(Digital Performer + KORG 1212 I/O)を導入して『tide』を制作、21世紀の活動のスタイルはそこから始まっていた。大変だったけど、何かに駆り立てられるように弾き語りと宅録にのめり込んだ。その直感は間違ってなかったと、今あらためて感じる。

8.Rain - 傘をさす女(2000)
JAZZ系のループが沢山入ったサンプラー用音源を買ったのでなんとなく作ってみたインスト。シンセ音とシンセベースは当時持っていたMICRO MOOG、さすがにいい音。AIR(フランスの二人組の)の影響とかあったかな。サンプラーはE-muに替えた頃だったかもしれない。ソフトシンセが進化したこともあって、この頃から段々機材に対する執着が薄くなっていく。録音では、ギターもシンセもその場にあるものでその都度、という感じになっていく。

9.Life is show time (2000)
Mの「Pop Music」とかのイメージ。英語の歌は沢山聴いてきたけど、自分で歌うとなるとどうにもうまくいかない。この曲は珍しく詞も自分で書いてみたけど、つたない。普段使っていない言葉で歌うのは無理があると、常々思っている(※個人の感想)。
思い切ってProToolsを買って、再び宅録に熱中していた時代。弾き語りツアーを全国2周して、ライブミュージシャンとしての自分の限界も知り、気分を変えて【HAAS】(ハース)名義でテクノポップをやろうと企てていた頃。一度だけライブでやったことがあるが、その時のバンドは中島ノブユキ(key)、玉田豊夢(Drs)、鈴木正人(Bass)という、当時は新進気鋭、今となっては豪華なメンバーだった。

 << BACK(「その2」へ)                             next(「その4」へ)>>


この「サポート」は、いわゆる「投げ銭」です。 高野寛のnoteや音楽を気に入ってくれた方、よろしければ。 沢山のサポート、いつもありがとうございます。