「TRIO」ブラジル録音の覚え書き
※専門誌の取材用にメモっていた備忘録、あらかた取材も終わったのでここに残します。詳細はサンレコとアコースティックギターマガジンで。
・初期衝動が欲しくて、リオに来た。
・結局録音中一度もアコギの弦を替えなかった(25年のキャリア初)
・5本ギター借りた。モレーノのガット、ペドロのガット(Di Giorgioのビンテージ、Gilberto Gilが新作で使ったという絶品)、ベルナのフルアコ(Fusion Bluesという謎のブランド)、レオのSG(EKO)、誰かのカジノ(リイシューのどうってことないやつ)。
・一曲もクリックやループを使わなかった(25年のキャリア初)
・キーボードも使わなかった(25年のキャリア初)
・パッドはエレキをStrymon timelineに通してホールドしている音。
・エレキの2曲を除いて歌は楽器と同録した。(25年のキャリア初)
・弾き語りツアーでやっていたことをブラジルのスタジオライブと融合させる、それが最初のイメージ。だから、ツアーで使っていたのと同じ鉄弦のアコギをそのまま持っていった。
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ミックス備忘録
[Dog year Good year]
・最初にドラムのアンビエンスから音作り(リボンマイク)極端なEQ,DBXコンプ、NEVE EQ、EMT140
・次にフロアのオンマイク キック周辺100Hzと超低域、ik付近を削る
・次にタム キックと共振してるポイントを狭めに超カット リムのアタックを少しブースト
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アウトボードを通った音を取り込みファイル化
・キックの音作り 音程感のあるローの余分な2ポイントを狭く超カット 1176
・ベース、ギター、歌の順 EQ(waves 10 band)以外はアウトボード
・voにレキシコンのアウトボード 「dry reverb」
RE-201 スラップバックディレイ16分
・voトラックのギターもれ、ブレスなどをリージョンを切って手動で下げる リップノイズを波形で直す
・3時間であらかた終了 明日以降他の曲ができてから再チェック
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「確かな光」
・アンビエンス、EQの10バンドすべてをほぼカットに使い切る
・部屋の中でみんな大声でずっと話しているのに、ダニエルは黙々と音作りを進める。。。
・ドラムキットのマイクのレーテンシーと位相を時々細かく調べる
・ディレイギターとヴィブラフォンにスプリングリバーブ ヴァイブに16分のMOD Moduration delay?
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「music」
・ヴォーカルにエコープレックス(初期型)
→やめてBOSSのアナログディレイ
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「美しい星」
・チェロとエレキのボリュームを細かく書く
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「ないものねだり」
・エンディングコーラスのショートディレイとコンプはプラグイン
・エンディングドラム全体のフランジャーもプラグイン(WAVES?)
・メインのギターチャンネルはずっとサ~っていうノイズが乗っていたけど気にせずOKになった
・コンガにmooger foogerのフィルターとサンズアンプ(プラグイン)
・ヴォーカルをDBXコンプに戻して、歪を加えて別チャンに録音、それを混ぜる(ギターアンプでもよく同じことをやるらしい)
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※全般に
・リバーブはEMT140(本物)か水色のスプリングの使い分け
・RE-201もテープと同時に薄くリバーブかけることが多い
・アコギのマイク2本とボーカルの位相を揃えるとアコギと歌の同録がすっきりする
・プラグインは全般に軽い修正にしか使わない
・音圧を稼ぐときはL1
・ルネッサンスEQのときも
・10バンドのときも
・ルネッサンスコンプ軽くかけることも (ピークをとる)
・位相を整える作業中はずっとしゃべっていたりする。
・曲によって サブキックをゲートでバッサリ短くする
・最終的にステムでコンソールにサミングして(24チャンネル使って)ミックス コンソールを通した状態でモニターしながらヴォーカルのフェーダー上下をフィジコンで書く
・シビランスの強いところ、手動でリージョンを切ってボリュームを調節する
この「サポート」は、いわゆる「投げ銭」です。 高野寛のnoteや音楽を気に入ってくれた方、よろしければ。 沢山のサポート、いつもありがとうございます。