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エンジニア7年目の転職活動で使って良かった転職サービス3選

背景

未経験からエンジニアに転身して7年目になり、世間的にはリーダークラスと呼ばれる層として転職活動することになった。
駆け出しの頃とは違い、何年も働いていると仕事へのこだわりなどが色々と生まれてきて、転職活動でも自分に合った企業を探すのが大変だったので、そこで使って良かったサービスをまとめておきたい。

TL; DR

LAPRAS と Forkwell Jobs と転職ドラフトだけ登録しておけば OK。
スタートアップもアリなら YOUTRUST も便利。
外資志望なら LinkedIn 一択。

前提

今回は下記のような条件で転職活動を行った。

  • フルリモート、フルフレックス、副業可

  • 年収950万円以上

  • バックエンドも Web フロントエンドも部署・ポジションが分割されておらず、フラットに両方開発できる

  • バックエンドは Rails, Go, Node のいずれかを利用している

  • Web フロントエンドは TypeScript, React, Next を利用している

  • etc

このような検索しづらい条件で求人を探そうとすると、普通の求人サイトやエージェントでは難しい。それには下記のような理由がある。

  • 求人サイトで検索しようにも、適切にフィルターできる機能がなく、近い条件で絞って1つずつ求人を見ていくことになる。

  • エージェントに相談してみても、エージェントは技術については素人なので、技術スタックについて全く理解できず、平気で PHP や Vue の求人などを紹介されるため、結局紹介された求人の中から自分で読んで絞っていく必要があり二度手間になる。

そこで最近流行しているスカウト型の転職サービスを利用するのが良さそうということに気付いた。
スカウト型であれば、プロフィールに自分の希望条件などを書いておけば、企業側がそれを読んで、スカウトメール内でそれに合致している部分とそうでない部分を説明してくれることが多いので、こちらから検索をかけて求人に目を通さなくてもフィルタできる。
スカウトメールを読む手間がかかるじゃないかという話はあるが、企業の担当者がしっかり自分のプロフィールを読み込んだ上で書いてくれるメールというのは受け取って嬉しいものなので、意外と読んでいて苦にならない。
以上の理由で、いくつかスカウト型の転職サービスを使ってみて良かったものを挙げていこうと思う。

使って良かったサービス

LAPRAS

Web上にある様々な情報源からエンジニアとしての情報を集めてプロフィールページを作ってくれるサービスで、それを見た企業が直接連絡してくれる。
元々は登録なしでも様々なエンジニアの個人情報を勝手にクローリングで収集して、企業がそれを見て Twitter やメールなどの方法で連絡するというスカウトサービスだったが、どこかの時点でエンジニア自身も登録して転職活動の状態などを入力できるようになっていた。

LAPRAS はスカウトの文章の中にコピペが殆どないところと、スカウトがサイト内の受信箱などではなく直接メールアドレス宛に届くところが非常に良かった。
特に後者は他にない特徴で、スカウトやメッセージが届くたびにいちいちサイトにログインしなければならない他サービスに比べて手間が少なく非常に助かった。

ちなみに今回の転職活動で私が入社を決めた会社も LAPRAS 経由で声をかけていただいた。
また、実は本業でスカウトする側としても LAPRAS を利用しているが、スカウト文の内容は担当者にチェックされていて、あまりに内容が薄いと送信を止められたり指導が入ることがある。求職者の体験を維持するために多大な努力をされていると感じるので、ぜひ伸びてほしいサービスだ。

Forkwell Jobs

プロフィールを登録しておくと企業がスカウトを送ってくれたり、掲載されている求人を検索して応募したりといった、いわゆる一般的な求人サイト。しかし、届くスカウトがしっかりプロフィールを読んだ上で自社の説明をしてくれるものが多かったので、他の類似サービスに比べて非常に体験の良いサービスだなと感じた。
届く求人も基本的には Web 系の自社サービス開発会社が殆どだったのと、エンジニア専門を謳っているだけあって掲載されている情報もエンジニアが気になる項目が充実しているところも好印象だった。

転職ドラフト

毎月1回、プロフィールと希望年収を登録→それを見た企業が仮で想定年収をオファーする→各オファーに対して、話を聞いてみるか辞退するか返答する、という流れのイベントを行うサービス。
提示された年収は仮ではあるものの、実際に内定を出す際には想定年収を提示した金額の90%以上にしなければならないという制約が企業側に課されているため、選考を受ける前から内定時の提示年収を大まかに知ることができるのが最大のポイントになっている。
登録するプロフィールは過去のプロジェクト経験などをかなり詳細に書くフォーマットになっており、内容が転職ドラフト運営にチェックされて合格した者のみがイベントに参加できる。企業側もそれを見た上で年収を提示するので、自分の現在のスキル・経験を企業がリアルにどう評価するのか知ることができる。一般的な転職サービスでは、求人票に「年収600万〜1,000万円」のようなレンジで書いてあり、実際それが600万円になるのか800万円になるのか1,000万円になるのか、が分からず、カジュアル面談でも聞きづらいということも多いので、これはとても助かった。
またプロフィールやプロジェクト経験などを読み込んだ上でポジションなどを提案してもらえるので、大きめの企業の中でマッチしそうなプロジェクトを紹介してもらえたり、求人を見ただけでは興味を持たなかっただろうなと思える企業でもメッセージを読んで興味を持てたりすることもある。
年収に希望がある状態で転職活動をするなら、とりあえず登録しておいて損はないサービスだと思う。

おまけ:使わなくて良かった転職サービス

今回の転職活動では試しに色々なサービスに登録して使ってみたのだが、中には非常に体験が悪かったサービスも多くあった。その中でも特に事前の期待と大きく異なるクオリティだったサービスを挙げておく。

リクルートダイレクトスカウト

CM 等では「企業からスカウトが届く」という触れ込みだったが、実際に登録してみると転職エージェントからのメッセージで受信箱が埋まることになる。しかもほぼ全てが自動返信メールのような定型文で、プロフィールを見て求人を提案するなどといった「手間」を一切省いているように見受けられる。自分の目で1つずつメッセージを読んで条件に合っているかどうか判断しなければならないという意味では「検索できない求人サイト」なみの体験の悪さに驚くことになる。さらに届く求人の内容も、希望条件・業界とはかけ離れたものばかりで、SIer の求人や営業職の求人などまで大量に送られてくる。恐らく求職者の体験を良くするためではなく、企業側がいかに楽に応募者を集めるかというコンセプトで設計されたサービスだと思われる。とても「スカウト」の名を冠するサービスとは思えないので絶対に使わない方が良い。
唯一良いところがあるとすれば、エージェントは顔写真付きでメッセージが届くので、好みの顔のエージェントを選べるところだろうか。ただし、これはリクルートダイレクトスカウトに限った話ではないが、実際の面談でそのエージェント本人が出てくるとは限らないことと、エージェントは技術については素人なので、希望条件を伝えても全くそれに沿っていない求人が大量に提案されることは留意した方が良い。

ビズリーチ

これも上記のリクルートダイレクトスカウトと完全に同じだった。サービスとしてはビズリーチの方が先発だったはずなので、リクルートがビズリーチを参考にしてサービスを開発したのかな?と邪推してしまうほど。
「ハイクラス」を謳っているのでリーダー層〜マネージャー層の求人に絞っているのかなと思っていたが、実際には全くそんなことはなく、普通のどこにでもある求人という印象だった。
あと驚いたのは、どういう条件になっているのか分からないが、一部のエージェントからのメッセージは有料化しないと閲覧できないようだった。

まさか求職者側からお金をとる転職サービスがあるとは寡聞にして知らなかった。企業目線に立って考えると、お金を払っている側の企業としてはできるだけ多くの求職者に自社を知ってほしいはずなので、お金をあまり払わなかった企業からのメッセージがこういう扱いになっているのかな?と推測できるのだが、そうすると「お金をあまり払わなかった企業からのメッセージを見たければあなたが課金してね」というような構図になっているのではないかと考えられ、一体これは誰のためのサービスなのだろうと首を傾げてしまった。

レバテックダイレクト

上記2つに比べると、IT業界かつ Web 系の自社サービス開発会社が多いという点ではかなりマシではあったが、サイトの仕様にかなり難がある。
例えば、企業からスカウトという形でダイレクトメールが届くことがあるが、それが選考中の企業とのメッセージと同じ扱いで「届いたメッセージに返信していません。」とリマインダが定期的に配信される。自分から興味を持って応募したわけでもないのに返信を強要される仕様は正直あまり良い気分にはならなかった。なおメッセージ内容もほぼコピペ文で、プロフィールに書いた希望条件などは全く反映されていなかった。

また、企業から届いたメッセージに対して、「承諾」も「辞退」も選ばずに質問などを返信できるようになっているのだが、細かい再現条件・手順は忘れたものの、その返信を送信しようとしてエンターキーを押下しただけなのに「面談を承諾する」が submit されてしまい、焦ったことがある。
他にも、企業と質問のやりとりをした後に明確に「辞退する」と連絡したはずなのに、その後も「興味があれば面談しませんか?」という内容の定型文を何度も送ってくる企業がいたこともあった。上記のような動作をするサイトなので、企業側の管理画面でも求職者ごとのステータス管理がしづらい仕様になっていて、それで重ねての定型文配信になってしまったのではないかと邪推してしまう。

最後に、この記事を書くために過去のメッセージを見返していて思い出したのだが、ある会社の選考をレバテックダイレクト経由で受けていた時のメッセージルーム内で、突然「リクルートキャリア」を名乗り、明確に私の名前(高野)を宛名にして、選考の進行について問う内容のメールが届いたことがあった。私自身がリクルートに勤めていたので、システムの不具合か何かで私の応募情報や登録したプロフィール情報などがリクルートに渡ってしまったのではないかと不安になったのだが、その後レバテックから謝罪のメールが届き、そうではなく「選考中の会社の返信機能にトラブルが発生し、リクルートの文面が送信されてしまった」「リクルートに高野様の情報は漏れていない」という説明を受けた。正直、類似のWebサービスの開発者としては、どういう不具合があったら「リクルートには情報が漏れていない」かつ「リクルートの担当者を名乗る人が明確に高野宛にメッセージを書く」かつ「そのメッセージが全く別の選考中の企業のメッセージルーム内に送信される」という事態が発生するのか全く想像がつかないが、当時は転職活動などでなかなか忙しかったのでそれ以上の追求はしなかった。今にして思い返しても、かなり不思議な体験だった。

その他に使った転職サービス

YOUTRUST

比較的最近ローンチされたサービスで、SNS 風にプロフィールを登録したり投稿・コメント・メッセージ等のコミュニケーションができる。その中で企業からスカウトという形でメッセージが届くことがあるが、しっかりプロフィールを読んだ上での内容であることが多かったので好印象だった。
ただ、利用している企業がかなりスタートアップ寄りだったので今回の私の転職活動では NFM だった。スタートアップでチャレンジしたいと思っている人にはオススメ。

Wantedly

これも SNS を謳っているが、内容的にはほぼ求人が掲載されていて検索して応募するタイプのサービス。企業からスカウトが届くが、プロフィールを読んだ上で文章を書いていそうなものは半分くらいの印象。
料金が安いためか他のサービスには掲載されていない小さめの企業も多く載っていることと、その会社で働いている「メンバー」が顔写真付きでプロフィールを掲載しているところは他にない特長だった。
ただし難点は、あくまで求人掲載ではなく SNS を謳っているため、求人の待遇(年収)について「載せてはいけない」というルールで運用されている点だ。希望年収がある場合はかなり使いづらいサービスであると言えそう。

LinkedIn

海外でよく使われている SNS と聞いてかなり昔に登録していたのだが、ステータスを「Open to work」に変更すると、どこからともなく駆けつけたエージェントや企業からたまにメッセージが届くようになる。特に外資という分野に強いサービスで、外資系に強いエージェントや外資企業からのメッセージが多いところは他のサービスにない特徴と言える。
一方で、プロフィールを読み込んだ上でのメッセージはあまり期待できないので、自分で読んでフィルタする前提で外資企業の情報源として活用したい場合は登録しても損は無さそうに思える。

まとめ

転職サービスは簡単にお金になるからなのか、無数にサービスが存在する。その中で私が実際に使ってみたサービスの感想を紹介してみたが、いかがだっただろうか。
市場的には IT エンジニアは人材不足で、ある程度のスキルと経験があれば引く手あまたであると言われる。その背景を受けて、転職サービスも「企業が楽して人手を集められるサービス」から「企業が手間をかけて求職者にアピールできるサービス」に業界の傾向がシフトしてきていると感じる。
求職者側の立場としても、何百人もの人に一斉送信しているような文章が大量に届くサービスより、明確に自分が求めている条件を登録しておけば企業側で合っているかどうか判断した上でコンタクトしてくれるサービスの方がもちろんありがたい。
その方向で求職者の体験を良くするために努力している企業のサービスは報われるべきだと思ってこういった記事を書いた(アフィリエイト等の収入は全く得ていない)ので、多少でも参考にしてもらえたら嬉しく思う。

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