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読書感想文:ドン・ファンの教え、力の話/カルロス・カスタネダ


カスタネダの
ドン・ファンの教え

やっぱり主観の物語を客観でなぞろうとして
検証分解習得しようとするが
なぞれない物語だと思うんだが

その上、失敗の認識さえ
また事物の枠として俯瞰せずにはいられない

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カスタネダ4巻

やっと取り掛かった。まだ冒頭。(20210428)
だが、一巻よりも確かに充実した内容であるような気がする。
3巻までの布石あってのことかもしれないが。
以降に期待。


暗記してないんだけど、主人公が対決してるのが「世界のはかり知れなさ」だというのはいいじゃないか?

ドン・ヘナロが登場して俄然すべてが動き始めた印象がある。

ドン・ファンがオーダーメイドのスーツ着て都市に現れて、「トワール」と「ナワール」という語が登場したのだが、脳が誤作動を起こして勝手に記憶の間に「ノワール」を挟みそうになった。

スペイン人の侵略(過去)や、メキシコシティ(都市)や、読み手(北米インテリ層)の現実との接点が大きくなってきて、悪い意味ではなく、あの時代これに熱狂した人々の気持ちがわかる気がする。

諦観と需要と再解釈とさ。

パブリートとネストールが絡んできて、それ以上に時々「この世界で、生き残れるものなど誰もいないんだ」(うろ覚え)とか、ぽーんと「強い言葉」が放り投げられてくるは、大変に効くな。


カスタネダ4巻「力の話」ちょっと前に読了してて、なんとなく読了の感想を言おうと思っていたのだが、ずるずる先延ばしにしていた。

結論から言えば、私にとっては面白かった。
どんな本でも万人にとって面白いとは限らないので、万人に勧める訳ではないのだが。

まごうかたなき哲学書だった。

ドン・ファンとカルリトス(カルロス)との一件意味不明に見える行動と問答が、繰り返し繰り返し少しずつ実際の会話のように読者のリズムを誘導して、4巻に結実するのだと思う。

故にこの冗長さもが、本来は必須の要件で、ドン・ファンが「必要なことだった」と最後に告げるように必要だった。

長い物語の形をとった哲学をここで「要約」しようとは思わないのだけれど、死を受け入れることとありのままを生きることの意味さえないそのままについて、興味深い本だった。

人は誰でもいつか一人で死ぬ。

(20210605読了 取り留めもないこのメモは、読みながらTwitterに流したものを拾ったものだ。切れ目も定かではないが読書のリアルタイムの思ったこととして)


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