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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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#自由詩

カネの話

金が好きか? 嫌いか? 本当は好きだろう。 嫌いな者はおそらくほとんどいない。 言えないだ…

高梨 蓮
2年前
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昔は入学の季節に

十年一昔と言うが 四半世紀がひと昔のように 思える そのうち 半世紀がついこの間のように…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 街角の風景

 信号を待っていた。  押しボタン式であるような、地方都市の郊外の住宅地の交差点だった。…

高梨 蓮
2年前
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【詩】相応しい言葉とは

何度も 書いたものを消す 書いて書いて書いて ほとんど似たようなことを繰り返しているこ…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 年の瀬だ

年の瀬だ 本当は時に刻まれた目盛りはない 暦は 月日は 人が刻むものだ ひとであるならば…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 冬の空気

切れる それだけで 指先がすぱりと切れる そのような 冬の空気 凍てつく その最中に 吹き…

高梨 蓮
2年前
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【詩】オフトゥーン国

冬の朝 ひょいと首出す ひんやりと 底冷えのする朝ぼらけ ひゃっと戻りておそるおそる 再度首出す冬の朝 到底ここから出たくない 一生ぬくぬくしていたい オフトゥーン国は我が故郷 いっそここに永住したい お布団恋しい冬の朝 ぬくぬく ほこほこ 過ごしたい (再投稿2020年12月11日)

【詩】月夜に

誰かの夢を 誰かの言葉を拾い そして磨く 輝くといい 月の光のように

高梨 蓮
2年前
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【詩】 ふくふくとした言の葉

零れ出す言葉は 今日は 勢いがあるものではないけれど ふくふくと 軽い羽根のクッション…

高梨 蓮
2年前
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【詩】冬の空の色

落ちそうだ またしてもどこかに 冬の空の色に わたしは かつて あのひとのことばを …

高梨 蓮
2年前
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【詩】 自戒

奇妙に気が焦るのは なにか 拾ってはならないものを拾っているからだと思う 例えば 己に向…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 この季節の空の雲

そういえば 今日 空に 雲がよぎっていた 刻む 掛け合わせたような 空をよぎる雲 そん…

高梨 蓮
2年前
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【詩】冬が来る

冬が来る 今年は 春も 夏も 秋も 無かった ただ冬だけが来る 疫 そんな年だった 滅多に…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 嘆きなど

熱い 鉄の塊を 喉の奥に飲め 口を噤め なにひとつ 足元には零すな 誰かが何かを拾う 嘆きなど なんの意味もあるまい 失われゆく 喪われゆく 繰り返す かつての記憶 人は何故思い出す 人は何故忘れ得ぬ 繰り返す