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リベンジ旅行と高機能化 スーツケース価格上昇

世の中の様々な値段がどうやって決まっているのかを解き明かす「値段の方程式」。今日のテーマは「リベンジ旅行と高機能化で スーツケース価格上昇」。 これまでコロナ禍で遠出を控えていた消費者が、 今年こそはと「リベンジ旅行」に動き出しています。JTBの調査によると、今年の夏休みシーズンの国内旅行者数はコロナ前の2019年と同水準の7250万人と推計されています。 JR各社は今年のお盆期間における 新幹線・在来線の指定席の予約席数が前年比53%増の270万席(7月26日時点)だと発表しました。 2018年に比べると92%。 ほぼコロナ前に戻っているということになります。


値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜〜金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。

エースは今年1〜6月の売上高2.6倍

人が動けばカバンも動く。スーツケース業界大手のエースの今年1〜6月の売上高は前年同期比で2.6倍に。 こちらもコロナ前2019年の水準とほぼ同じです。

スーツケースの需要拡大に伴って価格も上がっています。総務省の調査では今年5月の東京都区部の小売価格は2万2000円台。昨年末と比べて1割上昇しています。オークション比較サイトを運営するオークファンによると今年6月のネットショッピングとオークションの取引単価は2万円を超えています。これは6月としては過去10年間で最高です。

価格上昇の理由はほかにも。まずは原材料価格の高騰が挙げられます。 石油由来の樹脂の値上がりを受けて、 エースは主力商品を2019年と比べて15%値上げしています。国内で販売されているスーツケースの多くは海外で生産されています。円安で海外での製造コストが円ベースで膨らむことも値上がりにつながっています。

高機能商品の特徴は

もう一つの背景としては高機能化が挙げられます。 エースが3月に発売した「スタリアCXR」。 手元のボタンで簡単に車輪をロックできる機能が特徴で、 揺れる電車の中や斜面でも動かずに止めておくことができます。

サムソナイト・ジャパンは開口部を前面に設けたことで大きく広げずに荷物を取り出せる新製品の「ユニマックス」シリーズを発売しています。

百貨店、銀座松屋の売り場を取材してきました。担当者によると昨年9月から今年6月までのスーツケースの売り上げは前年同期の約7倍。 6割程度が外国人客です。「 旅行でいらっしゃった方が買ったお土産で荷物が増えて、それを収納するためにスーツケースを日本で買われるというのが多いと思います」(ドレスアップラウンジ係の巌谷緑介専任係長)

外国人は大型商品・日本人は機内持ち込みサイズが人気

外国人には大型の商品、 日本人には機内に持ち込めるような小型の商品が人気だということでした。 オークファンの調査で6月の取引価格が2万円超えとなっていましたが、 これも大型商品への需要の高まりが寄与しています。一方、円安の影響で日本から海外へ旅行に行く人は回復が鈍いようで取引数は4割ほどしか戻っていません。 日本人の需要はまだ短期の国内の旅行がほとんどで小型の商品が人気なのだといえそうです。

ここできょうの方程式です。

今後の価格を左右する要素の一つはやはり外国人旅行者数です。 現在、すごい勢いで回復傾向にあり6月には200万人を超えました。 これはコロナ前のおよそ7割の水準です。

これからますます増えることが見込まれ、価格もジリジリ上がっていきそうです。そもそもスーツケースは長く使うものなので商品選択の基準は価格より品質です。多少高くてもしっかりしていて壊れない商品を選ぶ人が多く、価格が上昇しやすい商品といえるでしょう。

https://www.bs-tvtokyo.co.jp/mplusft/

https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/author/175

https://note.com/takanaomurano/m/m2c4a5c2280b2












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